灘の酒SUMMERガーデン、集客と販促効果の関係。
先日、神戸朝日ビルディングで行われた「灘の酒SUMMERガーデン」に行きました。灘五郷酒造組合が行う、日本酒イベントです。先週末に大関さんの直売所に行った時に、たまたまそのチラシを見つけたので行きましたが、もし大関さんのお店に行っていなかったら、イベント自体に気づいていなかったと思います。
グーグルで「灘五郷 灘の酒 ガーデン」で検索してみると、大手メディアでこれを報じているのは神戸新聞ぐらい。ローカルのウェブメディアや灘五郷所属の酒蔵のホームページでは告知していましたが、大きく広報されなかった模様。となると、参加者は少ないように思えますが、それがどっこい、すごい人の量でまさに会場内はごった返していました。歩くのも大変なぐらい。昨年11月にも同じ場所で同様のイベントが行われたのですが、その時よりもずっと集客数が多かったです。そこで、隣にいた熟年サラリーマンお三方にイベントを知ったきっかけを聞いたところ、
ネットで知った
とのこと。それほど日本酒が好きではない男性でしたので、「灘五郷」「日本酒」で検索したのではなく、神戸新聞のサイトで知ったのかと想像します。(そこまで聞けばよかった、と今後悔。)また、朝日ビルディングは、大丸神戸店の近くにあるものの、どちらかというとオフィス街の立地。だから、会社帰りの人が、
帰り道で人だかりを発見→イベントを認識→いろんな日本酒が飲めると認識→参加
というプロセスを経て、イベントに参加したのでしょう。昨年11月のイベントの時と比べて、
リタイア後の高齢者よりも会社員が多い
という印象を受けました。
ここまで集客できたのだから、日本酒の販促イベントとしては成功したように思えます。ただ、それは、
日本酒を飲む機会が若干増える
程度のものではないでしょうか。
試飲した商品で気に入った銘柄を、イベント後に購入する
という、参加した酒蔵が喜ぶ結果は生まれないように思えます。そう感じたのは、先ほどの熟年サラリーマントリオとの会話で、オススメの銘柄・酒蔵を聞いたところ、
わからない
との回答だったからです。詳しくは、日本酒系のフローズンフルーツリキュールがよかった、とのことでしたが、
この銘柄を勧めた理由は、他の銘柄とは明らかに差別化された商品だから
かと思います。全く別の飲み物と言っても過言ではなりません。その飲み物が美味しかったから、頭に残っていたんだと思います。
では、なぜ自分が美味しいと感じた銘柄名が頭に残っていなかったのか。それは、
会社仲間とワイワイ飲むのに集中していたから
かと思います。さらに、日本酒が3杯も入ると、もうほろよい気分。特別日本酒が好きな人、銘柄にこだわる人以外は、自分の飲んだ銘柄なんて覚えていないのが普通なのかもしれません。
灘五郷の主催者側も、来場者に銘柄リスト(メーカーのオススメ印付き)と会場マップを配って、どうにか酒蔵名・銘柄名を覚えて帰ってもらおうという努力をしていました。ただ、実際にお酒を注いでもらう時に、銘柄名以外の説明がなかったのは事実。パンフレットをいただいたのも、こちらが詳しく質問した時だけでした。
さらに、19時すぎには、予定の600人を大きく上回る1000人超の来場者に達したために、新たなチケットの販売が中止に。中止したのは、おつまみが無くなったからとのこと。ただ、試飲できる銘柄はまだまだ残っています。一方、一部の酒蔵試飲ブースでは、試飲商品がなくなったので、店じまいをしているブースがあったのも事実。せっかく多くの人が集まったイベントだけに、その機会を活かせていないのはとてももったいないことです。同じように、1000人集めようと思ったら、どれほど集客費用がかかることやら。チケットなんて、コピーすれば何枚でも作ることはできます。さらに、完売ブースがある一方で、試飲できる銘柄も多く残っています。せっかく3日間も場所を借りて、大きな備品をトラックで運んだイベントだけに、この機会を日本酒のPR,酒蔵の認知度アップ、商品販促に使えたかな、と思います。
また、もう一つ残念な点がありました。それは、
酒ロックの告知がほとんど無かった
ことです。灘の酒メーカーが、この夏一番力を入れているのが、この新しい飲み方。なのに、チケット販売所でPOPがあった程度で、試飲ブースで酒ロックを勧めている酒蔵は皆無でした。もちろん、酒ロックにすれば、銘柄独特の風味・味わいが薄れてしまいます。酒蔵としては、あまりしたくない気持ちもじゅうじゅうわかります。しかし、この新しい飲み方を広げることで、これまで日本酒には見向きもしなかった需要を創造することができます。その需要創造商品を、この絶好のPR機会に試飲してもらわないのは、とてももったいないかと思います。比較的どのスーパーでも売っている銘柄を、酒ロックで試飲してもらうことにより、会社帰りに酒ロック用の日本酒を買ってもらうという販売機会を作ることができるのではないでしょうか。
ここまで書いてハッとおもったのですが、11月のイベントで感じたこととほとんど同じですね。イベントをイベントで終わらせてしまう方が、楽かもしれません。ただ、イベントの目的は、売上を伸ばすことのはず。ならば、イベントを商品の告知・PRをの機会だけに留めず、イベント後の売上につなげる工夫が必要に思えます。
☆ 今日のまとめ☆
灘の酒SUMMETガーデンは、昨年11月の灘五郷オータムフェスタと同様、日本酒を飲み比べをするというよりも、仲間とワイワイ楽しむ目的で来場している人が多いように感じた。
ただ、そのようになるのは、酒蔵の試飲ブースで試飲銘柄の説明がほとんどなかったからではないか。
せっかく多くの人に集まってもらえたイベントを、日本酒のPRだけでなく、酒蔵のPR、イベント後の商品販売につながるように、うまく活用しないのはもったいない。
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☆ 今日のこぼれ話☆
別に大関さんを贔屓にしているわけではないですが、フルーティでワインのようなおいしい日本酒でした。
その分、値段はそれなりにしますが。
また、記事内でも触れたフルーツリキュールも試飲しましたが、こちらは女性向け。
これも飲食店などへうまく販促すれば、かなり売れるんじゃないでしょうか。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓
◎営業日誌を付ける→☓
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