楽天証券主催の堀古英司さん講演会から考えたこと。
先日大阪・福島で行われた楽天証券セミナーに行きました。この手の金融セミナーは、各種金融サービスへの集客・勧誘を目的とされているので、ほとんどが無料です。無料で、そこそこ有名な方の講演が聞けるので、大変ありがたく感じます。
朝から夕方まで講演三昧の一日でしたが、その中でも、堀古さんと藤巻健史さんの講演が特に心に残りました。堀古英司さんはニューヨークでヘッジファンドの経営者をされており、藤巻さんは元々為替ディーラーで、今は講演・執筆を行いつつ、個人投資家でもあります。
それぞれの講演会のまとめを以下に記しておきます。
【堀古さんの話】
- マーケットの大きな利点は、「人を頑張らせること」と「リスクを取る人に褒美を与えること。」
- 人間は何もしなければ、サボるものであり、リスクを嫌うもの。
- ここ20年間日本で経済成長がほとんどなかったのは、政策に問題がある。
- マーケットの歪みとして、2003年~2004年のアメリカ好景気と低金利、1999年のユーロ導入と財政の不統一、ギリシャ危機と日本の消費増税がある。
- 日本のギリシャ化は、本当は歓迎するべきことなのでは?
- アメリカ株式のリスクプレミアムは、過去最高値。金融危機以来の投資のチャンス。
- 消費増税・アメリカの金融緩和政策の転換により、円安の可能性高い。
【藤巻さんの話】
- 日本の財政赤字は、財政再建が急がれた1997年の橋本政権時の約3倍。
- 財政再建には、大増税政策=インフレ税しかない。
- 国債が入札未達になれば、トリプル安に。そして取付け騒ぎが起こる。
- 外貨を持つことは、インフレへの保険になる。
- 超円安後は、輸出産業が復活へ。
以前にも堀古さんと藤巻さんの講演を聞いたことがあるのですが、論調はほとんど同じでした。基本的には、
堀古さん=アメリカ株は有望な投資先
藤巻さん=インフレ来るから外貨で保険を
という考え。そこには大きな発見がないのですが、細かく見ると新たな発見・疑問が生じました。
堀古さんの話を聞いて驚いたことは、
消費増税後は円安になる傾向がある
という点。堀古さん曰く、
消費税3%導入(+3%)→30%円安に
消費税5%に増税(+2%)→20%円安に
とのこと。同じことが起こるとなれば、
2014年4月8%に増税(+3%)→30%円安に
2015年10月10%に増税(+2%)→20%円安に
となります。そこで詳しく調べてみました。
1988年12月消費税導入が決定 125.9円
1989年4月消費税が実施 130円~132.5円
1994年11月消費税5%決定 98.04円
1997年4月消費税5%実施 125.52円
2012年6月消費税8%・10%衆議院通過 79.81円
※為替は平均値または終値
変動率を計算してみると、
消費税3%決定→実施:最大で5.2%の円安
消費税5%決定→実施:28.0%の円安
となるので、堀古さんの指摘はあながち間違っていません。
消費増税の経済への影響を考えてみると、景気を悪くする影響はあったとしても、良くする影響はほとんど考えられません。今回の増税によって、財政赤字体質が解消されず、さらに年金不安も解消されないので、消費者の節約志向は相当強くなるかと思います。
一方で、アメリカ経済は少しずつ良くなっているようです。堀古さんも指摘されていましたが、住宅市場が回復傾向にあります。
ケースシラー住宅価格指数→底打ちから上昇(?)へ
NAHB住宅市場指数→上昇傾向
日本経済とアメリカ経済を比較すると、アメリカ経済の方がお先は明るいようなので、ドル高・円安になる可能性は高いのではないのでしょうか。
日本経済に話を戻します。円安になれば、
輸出には追い風
輸入には逆風
輸入価格の上昇
エネルギー価格の上昇
になります。一方で、
可処分所得の減少
節約志向・貯蓄志向の高まり
により、国内消費には逆風が吹くようです。2008年のように、
消費が低迷する中でのインフレ(物価上昇)
が起こるかもしれません。国内消費に頼る事業は、相当難しいのではないでしょうか。逆に考えると、円安を利用した海外向けの事業(輸出、外国人観光客向けなど)を本気で考える時かもしれません。
藤巻さんの話に関しては、また後日取り上げようかと思います。
☆ 今日のまとめ☆
堀古さんの話から考えると、今後円安傾向になる確率は高い。
消費増税による消費減退が起こる一方で、製造コストの上昇が考えられる。
低迷が予想される国内消費に頼るのではなく、海外向けの事業を考える時かもしれない。
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☆ 今日のこぼれ話☆
今回の記事は、あくまでも仮説・考えであって、最終的な判断は各自でお願いします。
ドル高・円安予測も、アメリカ経済がどう転ぶかによって、まるっきり逆になりかねません。
ただ一つ言えることは、外貨はある程度持っておいても損はない、保険になるということですね。
また、国内消費に頼る事業は、相当脆いとも言えます。
これから事業を本格的に始める私にとっては、一つのヒントになりますね。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→☓(とある事情により腕立ては中止しています)
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓
(とある事情により階段・自転車は中止しています)
◎部屋や家の掃除をする→☓
◎営業日誌を付ける→☓