店頭に高価格レトルトカレーが増えた理由とは?

美味しそうなカレー(多分レトルトではないでしょうね)

 

※「アメリカ経済事情」に関しては、サイト「ウォール・ストリート・ジャーナルから見た起業のヒント」にて更新しております。今後、ryotarotakao.comでの更新は行いません。

 

スーパーやデパ地下に行った時に思うことがあります。それは、レトルトカレーの種類が増えたなぁ、ということ。単に種類が増えただけでなく、高価格商品も増えたように思えます。その理由は、簡単。

 

売れて、儲かるから

 

に他ならないでしょう。売れない商品の取扱量を増やす理由はありません。しかし、店頭で観察する限り、高価格レトルトカレーが売れている実感はさほどありません。それでも、多種多様なレトルトカレーを扱うとしたら、

 

レトルトカレーは小売店にとって利益率が高いから

 

と推測できます。

 

そこで、レトルトカレーのシェア1位(2008年実績。古くてスイマセン。)のハウス食品が上場企業なので、その決算説明会資料を調べてみました。調べる目的は、

 

1)レトルトカレーの売上は実際に伸びているのか?

2)レトルトカレーの利益寄与度は大きいのか?

 

です。

 

残念ながら、1・2とも具体的な数字は見当たりませんでした。ただ、レトルトカレーについては、次のように説明されていました。

 

【12年3月期通期売上のポイント】

レトルトカレーは、防災特需を機に製品価値の再認識が進んだことに加え、中価格帯製品の市場投入が売上に寄与し、堅調に推移。

【13年3月期通期売上のポイント】

レトルトカレーは、防災需要やサマーシーズンに向けた製品の継続投入に加え、特徴的なブランドイメージと値頃感を持った中価格帯の製品を投入。

 

ハウス食品は、中価格帯製品に力を入れていることがわかります。力を入れるのは、売上・利益が稼げるために他なりません。また、上場企業ということを考えれば、金額だけでなく利益率も増減にも注意を払っているはず。中価格帯製品は、手頃な価格なので売上数量が伸びやすいという大きな特徴があります。食品製造業は装置産業なので、売上が伸びるほど、製品一個あたりの原価は大きく低下します。また、中価格帯製品は、安さがウリの低価格帯製品と異なり、価格競争に巻き込まれにくいという特徴もあります。価格競争に巻き込まれにくいので、ブランド価値が毀損にしにくく、長期に渡り売上を維持・拡大することが可能になります。これらをまとめると、

 

中価格帯製品→原価は低い、売上数量は大きい、売価は維持しやすい⇒利益率が高い

 

になります。

 

メーカーにとって利益率の高い中価格帯製品は、小売店にとっても利益率が高いはず。よって、お店側も、中価格帯製品を拡充し、販売に力を入れることになります。

 

ただし、中価格帯製品を売りたいからと言って、中価格帯製品だけ販売しても、売れるわけではありません。それは、

 

消費者が中価格帯製品を必ずしも求めているわけではないから

 

です。そこで、高単価のレトルトカレーが登場です。高単価製品を増やすことによって、

 

◯中価格帯製品、販売商品の全価格帯の中間に位置するので、手に取る確率が高くなる。

◯レトルトカレー売場が華やかになるので、売場へ足を運ぶ来店客が増える。

 

という効果が見込まれ、中価格帯製品の売上増加に貢献します。つまり、レトルトカレー売場において、

 

中価格帯製品=バックエンド商品(本当に売りたい製品)

高価格帯製品=フロントエンド商品(集客するための製品)

 

と位置づけされているのではないでしょうか。

 

ただし、この戦略が成り立つためには、

 

高価格帯レトルトカレーの種類が増える

 

という条件が必要になります。この条件が成立する理由については、また今度考えたいと思います。

 

☆今日のまとめ☆

高価格レトルトカレーは、売上・利益の稼げる中価格帯製品を売るためのフロントエンド商品ではないか。

多様な高価格製品を販売することによって、価格帯が中間の中価格レトルトカレーを手に取る来店客が増えることになり、またレトルトカレー売場が華やぐので、売場への集客を高めることができる。

 

☆What to EAT Yesterday☆

昨晩は、穴子丼を頂きました。

どこの商品かは不明。

そう言えば、この夏うなぎは食べてないなぁ。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

レトルトカレーは、商品ごとの価格差が大きいですね。

高いものでは500円超、安いものでは100円を切っています。

普段レトルトカレーを食べないので、どれほどの差があるのかがわかりません。

スーパーで単価500円は、相当高いように感じます。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎    朝6時に起きる→☓

◎    毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓

◎部屋や家の掃除をする→☓

◎営業日誌を付ける→☓

店頭に高価格レトルトカレーが増えた理由とは?” に対して2件のコメントがあります。

  1. 岩本 より:

    検索をして此方を訪問しました。

    質問ですが、極端な話全てレトルトを提供して、店はやっていけるのでしょうか。

    ご飯もパックおかずもレトルト、強いて言えば、惣菜は業務用の冷凍を揚げるだけだけとかで、ランチタイムのみとかの営業で実際どうなのか?と思います。

    個人のお店でもカレーなどはレトルト使われてますよね?

    場所とかの問題はあるとは思いますが、やはり味に飽きられるのでしょうか。

    レトルトの種類を増やしたり、レトルトなら持込OKで温め代や容器代として100円~200円くらいいただくとかという考えって、経営は成り立つのでしょうか。

    考えとして甘いですかね?ずぶの素人ですし、経営の経験や飲食店の勤めの経験もありません。
     宜しくお願いします。

    1. ryotarotakao より:

      岩本さん

      コメント・質問ありがとうございます。
      レトルトカレーを提供するお店が、確か大阪・梅田にありました。
      レトルトカレー単品の価格にサービス料を課していたと思います。
      温めてご飯に掛けてそのままというのでは、付加価値がほとんど付かないので難しいと思います。
      ましてやサービス料として100~200円しか取らないのであれば、アルバイトを雇うわけには行かず、儲からない商売になりますね。
      ただし、その場で物販をするというなら別。
      単価の高いレトルトカレーは、そう数が売れるものではないので、利益率が高いからです。
      また、メーカーの販促支援として行えば、メーカーから販促費を頂戴することも不可能ではないはず。
      まぁ、オーソドックスに、レトルトカレーを何かしらアレンジする方が無難ですかね。
      そのまま提供するのは楽ですが、よっぽどレトルトカレー好きならともかく、アレンジする余地が小さいので、仕事に飽きてしまいかねませんし。

      またよろしくお願いいたします。

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