大阪のフレンチレストランで気づいた、有りそうでなかなか無い差別化方法とは?

フランス料理点の店内 ※取り上げたお店とは全く関係がございません。

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先日、大阪のフレンチレストランに行きました。このお店、実は友人から教えてもらうまで、全く知りませんでした。ただ、どうしても私が予約しなければならない事情があり、友人から名前を聞いて予約することに。

 

レストランに予約することは、それほど好きなことではありません。面倒だからというよりも、忙しいお店だと迷惑になるのではないかと、危惧するから。忙しいお店は、本当に戦場です。キッチンだけでなく、ホールにも余裕はありません。良くないことですが、お店全体に殺気立った空気があることも。そんなところに電話が掛かってくると、本当に「お呼びでない」状態になり兼ねないのです。

 

大変評価の高いお店だったので、今回も覚悟して電話することに。すると、大変丁寧な男性が応対しました。その声からは優しさも感じられます。この電話対応から私が予測したことは、相当社員教育のしっかりしたレストランである、ということです。お店の客席数も実際には知らなかったのですが、そこそこ大きなレストランを予想していました。

 

しかし、実際にはカウンターのみレストラン。客席は9席しかありません。ということは、スタッフ数も少ないのですが、なんとシェフとウェイトレスの二人のみ。ウェイトレスというだけあって、もちろん女性。だから、電話対応したのはシェフになります。

 

私が抱くシェフのイメージは、「頑固」「ぶっきらぼう」「無口」など。どちらかというと、サービスには適した人は少ないと思います。このレストランのシェフは、いい意味でシェフらしくないのです。

 

いろいろ話を聞くと、このフレンチレストランには、かなりリピーターが多いとのこと。料理ももちろん美味しい(とびきり美味しい)のですが、それ以上にシェフの人となりに惚れたお客さんが多いのではないでしょうか。もちろん、ウェイトレスの女性は、サービスの専門だけあって、シェフ以上に心地よいサービスを提供するので、お店全体がホスピタリティに溢れた感じがするのです。

 

このレストランの料理は特別に美味しかったですが、一般に飲食店において料理だけで差別化するには限界があります。それは、真似されやすいから。一方、人によるサービスは、なかなか真似できません。一時的に真似できても、長続きしません。そういう意味では、このお店は、飲食店の差別化の王道を歩んでいます。

 

人による差別化ができるのは、個店の強みです。マニュアル化による画一的な商品を提供するチェーン店では、なかなかできません。しかし、個店において、人による差別化を行なっているお店は少ないのではないでしょうか。だからこそ、チェーン店による価格競争に巻き込まれているのだと、思います。特に、電話対応による差別化は、有りそうでなかなか無い差別化ではないでしょうか。飲食店において、ないがしろにされやすい電話対応だからこそ、逆に差別化しやすいかと思います。

 

☆     今日のまとめ☆

電話対応をないがしろにする飲食店は多い。

だからこそ、電話対応を丁寧にするだけで、人による差別化はうまくいくのではないか。

 

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☆     今日のこぼれ話☆

それなりの価格のお店なのですが、決して高いとは感じない料理・サービスでした。

懐事情が寂しいので、そう簡単には行けませんが、何かの記念日や密談にはいいかもしれません。

オオタシェフ、ありがとうございました。

 

☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆

「無駄をそぎ落とすことで、お値打ちな商品になるから、お客様に喜ばれて売上も最終的に増えるのであって、初めに安売りありきではない。逆に、価格が安くても価値の伴わない商品は、一時的に注目されることはあっても長続きしない。」(『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)

※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

 

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