グランフロント大阪のサンクゼール・マルシェ・プレミアム、販売確率を上げる試食のやり方とは?
By Bruno Pin
※サンクレーゼの有料試食サラダとは関係ありません。
引き続き、グランフロント大阪で発見したことを、お伝えしたいと思います。今回は、地下のウメキタセラー(UMEKITA CELLAR)の食品小売店で見られた、新しい試食方法に関して。ウメキタセラーとは、グランフロント大阪地下一階にある、食関連のお店(小売店・飲食店)が集まった一帯の名前です。JR大阪駅の地下からグランフロント大阪に行く場合、まず通るのがこちらのエリアになるためか、すごい人でした。ここからグランフロント大阪が始まるというような、ノースゲートとは違う雰囲気があります。
このウメキタセラーに、サンクゼール・マルシェ・プレミアムという小売店があります。扱う商品は加工食品と惣菜・ワインなど。「プレミアム」という名前が付くだけ合って、単価の高い商品が多いのが印象的です。そのためか、試食に力を入れています。
試食の中で、特に目立ったのがドレッシングの試食です。スタンディング机の上に、キャベツの千切りなどのサラダが盛られた大皿があり、このサラダにドレッシングを掛けて、味を確かめます。しかし、そのやり方は、通常の試食とは大きく異なりました。それは、
有料
なのです。
実際にこの有料試食をしたわけではないのですが、確か店員さんは100円掛かると言っていたような記憶があります。100円支払うと、大皿に盛られたサラダをお皿に自分で盛り付け、ドレッシングを試せます。お替りは一回まで。といっても、お皿が普通の大きさぐらいあったので、多く盛ろうと思えばできるのです。大盛2皿で100円と考えると、かなりお得な価格となります。このお得感が人を呼び、多く人が有料試食をしていました。
通常なら無料で行う試食を有料化したのには、何か狙いがあるはず。その狙いは、
販売確率を上げる
ことに他なりません。有料にすれば、100円と言えども支払うというハードルができるので、支払うかどうか考えることになります。ドレッシングに興味のある人なら、100円支払いますが、興味がなければ試食しないことでしょう。つまり、100円の有料試食にすることで、
興味のある人と冷やかしの人を区別できる
というメリットがあるのです。サンクレーゼは、有料試食することにより、興味のある人にだけ商品説明をすることになり、その販売確率は大きく高まります。
消費者にとっても、次にようなメリットがあります。
【サンクレーゼの100円試食の消費者側メリット】
[1] 買わなくても申し訳なく思わなくていい
[2] ボリューム感の大きさからするとそれでもお得
1については、試食する際に感じる消費者は多いと思います。タダで頂きながらも買わないということは、少し気分が悪いことです。申し訳なく思うからです。(試食販売の狙いの一つは、この返報性の原理でもあるのですが)しかし、事前にお金を支払っていれば、買ったことになるのでそういう気持ちを味わう必要はありません。2については、先述した通り。
ただ、これで終わらせるのは、勿体無く感じます。
商品を購入すれば試食代金分を割り引く
などの商品購入へ背中を押す仕組みがあれば、さらに販売確率を高めるのではないでしょうか。
すべての商品で有料試飲が効果的とは思いませんが、少なくとも、サンクレーゼが扱うような単価の高い商品では、効果があると思います。この有料試食が今後も継続されていれば、効果があったことの証明になることでしょう。
☆今日のまとめ☆
グランフロント大阪のサンクレーゼは、単価の高いドレッシングの試食を有料化していた。
有料化することにより、興味ある消費者とそうでない消費者を区別することができ、販売確率をより高めることができる。
消費者も、有料化により試食しても買わない場合によく感じる気まずさから解放される。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
先日、久しぶりにとんかつを外で食べたのですが、やっぱり専門店は美味しいですね。
そして、週末の夜ながら、多くの人で混み合っていました。
それだけ、自宅でとんかつを作る人が減ったことになりますね。
☆ 最近気になる商品☆
先日食べたのが、こちらの商品。
戴き物のケーニヒスクローネの洋菓子です。
チョコレートでコーティングされているので、外は少し堅いのですが、中はパイでサクッとしています。
この両極端の2つの食感が、何とも言えません。
これ、ちょっとした贈り物にピッタリですね。