阪急ベーカリーの100円パン

 

先日、阪急うめだ本店に行ったのですが、相変わらず阪急ベーカリーの100円パンは流行っています。閉店に近い時間のため、20円引きを行なっていたという要因もありますが、それでも他の割引販売しているショップ以上に集客していたのは事実。以前、記事で述べたように、阪急ベーカリーの100円パンは、阪急うめだ本店の集客アップに相当寄与しているのは、事実のようです。

 

100円(税込105円)だから流行って当然、と言えますが、ならばなぜ100円販売が可能になったのか気になるところ。そこで、その理由としてすぐに頭に浮かんだのが、

 

少種類の大量生産・大量販売だから

 

です。いわゆる「規模の経済」というやつですね。100円で販売するから可能になる結果であり、100円で販売できる要因でもあります。実際、阪急うめだ本店の阪急ベーカリーの売場で販売されている商品は、20種類ほどでしょうか。(実際に数えたのではありませんが。)阪急のデパ地下に入っている他のパン屋さんに比べて、その種類は明らかに少ないです。少ない分、一種類あたりの販売数量は伸びるので、大量生産が可能になり、一個あたりの製造コストが下がることになります。

 

次に考え付いたのが、

 

単一価格なので精算コストが低くなるから

 

です。100円ショップと同じ理屈ですね。つまり、レジで精算する際に、個数を数えるだけで済むのです。一方、普通のベーカリーの場合は、一個ずつ価格が異なるので、それぞれレジに打ち込む必要があります。「数えるだけ」と「一個ずつ異なる価格を打ち込む」の差は、オペレーションにおける必要時間に表れます。また、パート・アルバイトに必要とされる習熟度も違ってきます。この結果、数えるだけで精算できる阪急ベーカリーは、入ったばかりのアルバイトでも戦力になり、さらに精算時間を短縮できるので、人件費を抑えることができるわけです。

 

そして、今回阪急ベーカリーを観察した時に、もう一つとても大きな理由が見つかりました。それは、

 

使い捨てトレーを使うことでパンの包装時間を短縮できるから

 

です。詳しく説明すれば、阪急ベーカリーでは、パン屋でよく見られるパンを取るトレーがありません。その代わり使っているのが、総菜などを入れる白いプラスチックトレーと紙箱です。来店客は、白いプラスチックトレーか紙箱に欲しいパンを入れて、レジに進むのです。そして、レジでは、プラスチックトレーの場合は、そのまま大きめの袋に入れます。紙箱の場合は、封を閉じるだけです。これにより、パンを包装する時間を短縮できます。通常のパン屋で行われるオペレーションと比べると、その時間差は一目瞭然。通常のパン屋では、パン一つずつをそれぞれ透明のナイロン袋に入れます。この入れる時間が、結構バカになりません。阪急ベーカリーはこの時間を、使い捨てトレー・紙箱を使うことで短縮し、オペレーションコストの削減につなげたのです。

 

阪急ベーカリーでパンの100円販売が可能になったのは、製造業務だけでなく販売業務でもコスト削減を行ったからなのです。

 

☆今日のまとめ☆

阪急ベーカリーでパンの100円販売が可能になったのは、少種類の大量生産・大量販売を行ったからだけではない。

単一販売による精算時間の短縮や、使い捨てトレー・紙箱利用による包装時間の短縮により、販売オペレーションのコスト削減を行ったことも、100円販売を可能にした大きな要因だろう。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

今回の観察で発見したように、業界で常識と考えられているオペレーションには、意外に無駄が多いのかもしれません。

消費者がそれに価値を感じないなら、止めてその分販売価格を下げた方が、収益にはプラスに働くのではないでしょうか。