【350号】KFCがフランス市場で拡大を目指す理由とは?

◎本日のニュース

1)見出し

KFC Seeks Secret Recipe for France

2)要約
ケンタッキーフライドチキン(KFC)は、
フランス市場での店舗拡大に力を入れている。

世界的には中国を最重要市場と位置づけているが、
ヨーロッパで店舗拡大する上でフランス市場をその中心に考えてい

るという。

その理由は、3つある。

一つは、フランスはファストフードの競争が小さく、
競合するのはMcDonaldと地元資本のクイックに過ぎないからである。

さらに、フランスでは、ファストフードでもデザートまで
付いたセットの注文が多いため客単価が高く、
一店舗あたりの売上額が世界最大だからである。

最後に、KFCがフランスで本格的に店舗拡大を
始めたのは2001年と遅く、店舗拡大余地が広いからである。

また、KFCは後発組のため、積極的に地元消費者の嗜好に
合ったメニューを投入している。

3)キーとなる英文
Yum Brands Inc.’s KFC brand is plotting a deeper move into
France, hoping that the Colonel’s recipe will strike the
taste of a broader swath of French consumers.

4)キーとなる英文の和訳
ヤム・ブランド社のKFCブランドは、KFCのメニューが多くの
フランス人の嗜好に合うことを期待して、
フランス市場での更なる拡大を計画している。

5)気になる単語・表現
plot    他動詞     ~をたくらむ
swath   名詞      長細い列
なし
*Colonel’s recipeを直訳すると、
「KFC創業者のカーネル・サンダースのレシピ」であり、KFCのメニューと解した。

6)今日のヒント
上海万博が開幕して、マスコミでは中国を
特集した番組が目白押しである。

その番組では、中国企業の躍進とともに、
グローバル企業の中国進出が報じられている。

ほとんどのグローバル企業は、世界最大の人口を
擁する中国を最重要の市場と位置づけているようである。

今回の記事では、KFCがいかにフランス市場での
拡大を目指しているかが取り上げられている。

ヨーロッパ市場というと、今後大きな経済成長が見込めず、
成熟経済に移行した感がある。

しかし、よくよく調べてみると、フランス市場は
ファストフード業界にとっては魅力ある市場のようである。

その理由をまとめると、
◎競争が少ない。
◎大きな売上が見込める。
という2点に絞られるだろう。

経済成長著しい中国は大変魅力ある市場であるが、
成長しているが故に競争は大変激しい。

一方、フランスでは、ファストフードで成功している企業は少なく、
これまで参入してきた企業は細々と営業しているか、
撤退しているかのどちらかであり、競争は少ない。

だから、過去の事例を研究し、成功要因を参考にして失敗要因を排除すれば、
成功確率が高めることができる。

このように、一見成長が見込めないように思われる市場も、
よく調査してみれば、意外に旨みのある市場であると発見できるかもしれない。

ただし、旨みがあるという背景には、過去に多くの企業が
失敗したなどのハードルが存在している可能性は高い。

KFCの場合は、マクドナルドの成功要因を参考にして、
メニューをフランス人に合う味付けに変更するとともに、
アラカルトよりもコースを好むフランス人に合わせてデザートが
付いたセットメニューを拡充して、フランス人の支持を獲得している。

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《今回のヒントのまとめ》
▼KFCは、競争が少なく1店舗あたりの売上金額が世界最大の
フランス市場での店舗拡大を計画している

▼また、KFCがフランスで本格的に営業を始めたのは2001年と遅いので、
店舗拡大余地が大きいのも、フランス市場での拡大を目指す理由である。

▼このように、世間で騒がれている中国のような成長するが
競争の激しい市場ではなく、競合が少なく大きな売上が
見込める市場に注力した方が、効率的に売上を延ばすことができる。

▼ただし、競争が少ないということは、多くの失敗事例が
あるなど何かしら問題がある場合が多いので、成功事例・
失敗事例を研究して、工夫する必要があるだろう。
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