参院選後にわかる、政治家にとって不都合な真実とは?

投票の招待状by courtesy of nofrills

 

今回の参院選が初のネット選挙とあって、選挙活動にネットが大いに利用されているものと思われます。ここで「思われます」と表現したのは、個人的な感覚からしてさほどネットが利用されているとは思わないから。ネット選挙を実感したのは、政治とは全く関係のないサイトに行った時に、兵庫選挙区から立候補している人のバナー広告が出てきた時ぐらい。そもそも、ソーシャルメディアをそれほど利用していないからか、選挙活動にネットが大きく利用しているとは感じません。それどころか、逆に街中での街宣・うちわ配りの方が、より印象的ですね。

 

いつも思うのですが、告示後の選挙活動は、本当に都合が良すぎるのではないでしょうか。新人ならまだしも、現職でもあまり知らない人がほとんど。個人的に政治に興味があるので、名前ぐらいは知っていますが、実際に何をしているか、どんな成果を上げたかについて、ほとんど知りません。一部の議員は、定期的に活動報告をしているようですが、それは本当に一部のように感じるのです。選挙前だけお願いする割に、普段は知らんぷり。こんな感じを政治家に抱く有権者は、多いのではないでしょうか。

 

活動報告をしていない政治家にも、言い分はあります。一番の理由は、コストでしょう。活動を報告するには、ビラを印刷・配布しなければなりません。それには、多大なコストが掛かるので、頻繁には報告できないのです。「活動報告はしたいものの、ビラの印刷・配布コストが馬鹿にならず、なかなか出来ないのですよ。」という言い訳が、よくなされるのだと思います。

 

しかし、ネット利用が公式に解禁されてからは、そんな言い訳が通用しなくなるのではないか、と思うのです。コストを掛けられないのなら、ほぼタダで利用できるネットを使えばいいからです。キーボードを打てないという年配の議員ならば、ネットラジオ(ツイキャスなど)を使えばいいのです。ネットラジオなら、マイクの前でしゃべるだけ。これなら、少し時間を取れば誰にでもできることです。それでもネットを使った広報活動をしないというのは、「単に活動報告をしたくない」と捉えられても不思議ではありません。

 

これを企業に例えるならば、

 

決算前・月末前→頻繁に売り込みにやって来る

それ以外→訪問すらせずほぼ無視

 

になるでしょうか。いくら素晴らしい商品を売っていても、これならそのセールスの信用が高まることはありません。逆に、その企業をよく思わず、競合商品に乗り換えられるというあるまじきことが、起きるかもしれません。

 

参議院選挙後にわかるのは、選挙後のネット利用がどのように変わるのか。利用頻度が極端に落ちるならまだしも、ほとんど利用されなくなれば、その議員は有権者とコミュニケーションを取りたくないということになります。政治家にとっては、不都合な真実と言えるでしょうか。有権者としては、こういう観点から誰に投票するかを決めていいかもしれません。

 

このように考えると、ネット選挙に反対してきた議員の真意が、なんとなくわかります。ネット利用が公式に解禁されると、使うことが当たり前になり、手間が掛かると考えたからこそ、反対したのでしょう。そう考えれば、ネット利用が進むほど、政治家にも事務処理能力の高さが要求されるようになる、とも言えますね。

 

☆今日のまとめ☆

ネット選挙解禁後、政治家のネット利用がデフォルトになる。

使わないなら、その理由が求められ、明確に説明できなければ、有権者とのコミュニケーションを軽視する議員ということが判明する。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

そして、今選挙カーが近くにやってきた模様。

知らない間に耳に入る選挙カーという選挙活動手法は、一番有効に思えますね。

だって、無意識の内に耳に入るのですから。

 

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