吉野家の店舗Jordi Sanchez Teruel

先日、日経新聞朝刊に、吉野家の高単価商品についての記事が掲載されていました。

低価格を競ってきた牛丼大手が500円前後の高めの商品を相次ぎ投入する。吉野家ホールディングスは7月上旬、品質の高い牛・豚を使った480円の丼物を 販売。松屋フーズも4日から同社で過去最高価格となる丼物を売り出す。景気回復の期待を受け、外食業界でも少し高めのメニューの需要を探る動きが広がって きた。(2013年7月1日付 日経新聞朝刊)

吉野家と言えば、280円の牛丼値下げで成功したことで、最近注目されました。その低価格路線まっしぐらの吉野家が、480円の丼を発売するそうです。牛丼並盛の倍はしませんが、それに近い価格で、これまでで一番単価の高い商品のようです。果たして成功するのでしょうか。そこで、成功すると考える理由と失敗すると考える理由を、それぞれ考えてみました。

【吉野家の480円丼の成功理由・失敗理由】

[成功理由]ワンコインという心理的に納得できる価格だから

[失敗理由1]顧客が吉野家に求める割安感がないから

[失敗理由2]サービスを含めたトータルのクオリティが価格に伴わないから

まずは、成功すると考える理由から。ワンコインで収まるというのは、購入ハードルが高くなるのを防いでくれます。今では、マクドナルドでセットを食べるにも、500円は掛かります。コンビニで弁当と飲み物を買った場合も、同じ。ならば吉野家でも、480円丼が顧客に許容される可能性は十分考えられます。

また、280円の牛丼で集客し、その一部の来店客でも480円丼を注文してもらえれば、客単価は上昇します。また、480円丼を導入することにより、吉野家の高単価メニューという話題性が生まれることで、さらなる集客につながることも期待できます。つまり、480円丼には、客単価・客数とも増加をもたらす潜在力があるのです。

でも、吉野家の実際の店舗を知っている人は、こう上手く事が運ばないと考えるのではないでしょうか。まずは、480円丼と、吉野家を利用する顧客が吉野家に求めるものとにギャップが生まれる可能性があります。吉野家に求めるものとは、「早い」「安い」「うまい」の三点。480円丼には、この「安い」がありません。よって、既存顧客、特にヘビーユーザーにとって全く興味がそそらない可能性があるのです。一方、新メニューを導入すれば、オペレーションの複雑化は避けられません。特に、今回は480円丼というこれまでにない高い価格のために、食材のみならず新しい食器などの備品を導入する可能性があります。備品の種類が増えれば、管理がより難しくなり、コストアップにつながります。

また、480円という高いメニューを導入したものの、サービスはそう簡単に向上しません。清潔感も含めた店舗雰囲気もしかり。これまでと同じサービス・雰囲気ならば、いくらグレードの高い商品を導入しても、その価値が伝わりにくいのではないでしょうか。500円丼には興味はあるものの、吉野家には入りづらいと考える人が多いかもしれません。

別ブランドで店舗を出したほうが、上手くいくような気がします。個人的には、同じ吉野家の店舗でも一度食べてみたいですが。

☆今日のまとめ☆

吉野家の480円丼の成功理由は、ワンコインという価格設定。

単価は高いが、許容範囲に収まるのではないか。

一方、失敗理由としては、吉野家に期待される「安さ」の要素がないことで、既存顧客からそっぽを向かれる可能性がある。

また、サービスや店舗雰囲気が、新メニューのグレードのそぐわない可能性も高い。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

そう言えば、まだ鶏つくね丼をまだ食べていないことが判明。

と思って調べてみると、吉野家の公式サイトにはもう掲載されていません。

期間限定メニューだったのですね。

しくじりました。