吉野家の店舗

吉野家が、一人鍋の飲食店・いちなべ家をチェーン展開するようです。

ファストフード大手が相次ぎ、新型店を出店する。吉野家ホールディングス傘下の吉野家は1人で食べられる鍋の専門店を26日に開業。日本ケンタッキー・フライド・チキンは10月1日に空揚げ店を出店する。両社とも消費者の個食志向に対応する。いずれも将来は100店以上に多店舗化する計画で、新たな収益源に育てる狙いだ。(2013年9月23日付 日経新聞朝刊)

ケンタッキー・フライド・チキンも持ち帰り唐揚げ店をオープンさせるなど、ファストフードチェーンで新業態開発競争が勃発しそうな予感です。今回は吉野家の一人鍋業態を取り上げたいと思います。

正直、一人鍋のお店がうまくいくか、かなり疑問です。というのも、一人鍋をわざわざ外で食べたい人が多いとは思えないからです。そこで、ネットで「一人鍋」で検索してみたところ、一人鍋のレシピを掲載したサイトが最上位に表示されました。一人鍋のニーズはそれなりにありそうですが、そのニーズとは、

一人鍋を簡単に作って食べたい

というのもの。外で食べたいニーズではありません。もちろん、「簡単に」というニーズがあるので、自分で作るよりも外食する方がそのニーズをより満たすことになります。しかし、自分で調理せずに「簡単に」一人鍋を食べようとするなら、コンビニ・スーパーで売っている一人鍋セットを買えばいいのです。一人鍋セットなら、火に掛ければ出来上がり。ローソンの一人鍋なら、レンジで出来上がります。恐らく、コンビニの一人鍋セットは、レンジで調理できるのでしょう。火に掛けるのも面倒に思う人でも、大丈夫なのです。

【いちなべ家の競合品】

[1]原材料を別々に買って自分で作る一人鍋→簡便性はいちなべ家の方が高い

[2]コンビニ・スーパーで売っている一人鍋セット→簡便性はセットの方が高い

このように競合品と比べると、簡便性において一人鍋セットに軍配が上がります。さらに価格を比べると、次のようになります。

【いちなべ家と一人鍋セットの価格比較】

[いちなべ家]780円~830円

[一人鍋セット]380円~500円?

外食だけにいちなべ家が高くなるのは当たり前ですが、一人鍋セットの2倍以上もします。この価格差は決して小さくないはず。もし、コンビニの丼ぶりが380円で、吉野家の丼が760円ならば、吉野家の丼は売れるでしょうか。かなり難しいのではないかと思います。

では、なぜ吉野家は、簡便性と価格で競合に負けそうな商品を、新業態で販売するのか?これは、

低コストに出店しやすいから

ではないでしょうか。吉野家で使う具材を活用すれば、食材コストを抑えることができます。吉野家と同じファストフード型なので、店舗の仕組みは吉野家と同じで問題無いはず。吉野家で以前に鍋を提供したことがあるので、鍋の商品開発のノウハウもあるでしょう。吉野家の資産(有形・無形)を活用することで、低コストで出店・運営できるのです。

もちろん、一人鍋のニーズが高いことも、大きな開発理由でしょう。しかし、競合品と比較すれば、外食で一人鍋したいニーズはさほど高くないように思えます。もしかしたら、吉野家独自の調査で、一人鍋を外食したいニーズはかなり高いということが判明したのかもしれません。それにしても、780円という価格は少し高いように感じます。

 

☆今日のまとめ☆

吉野家が一人鍋業態を新たに開発するのは、出店・運営しやすいからではないか。

確かに一人鍋ニーズは高いかもしれないが、簡便性と価格において競合品の一人鍋セットよりも劣るように感じる。

 

 

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☆  今日のこぼれ話☆

外食で鍋と言えば、居酒屋の鍋でしょうか。

安くても一人980円からですね。

この価格を念頭において、780円に設定したのかもしれません。

しかし、居酒屋の鍋はみんなでわいわいできる機能もあるので、単純比較できないと思います。