外国人観光客noスマホ利用率からわかる満たされないニーズ
by courtesy of raneko
9月下旬の日経MJに、外国人観光客の日本滞在中におけるインターネット利用状況に関する記事が掲載されていました。
観光庁は訪日外国人の日本滞在中のインターネットの利用状況について、調査結果をまとめた。スマートフォン(スマホ)を使い観光情報などを得た人は全体の4割強を占め、3割強だったパソコンを活用した人の割合を上回った。訪日外国人向けの情報発信ツールとしてスマホの重要性が高まっている。(2013年9月17日付 日経MJ)
まとめると、次のようになります。
【外国人観光客の日本滞在中におけるインターネット利用状況】
(全体)
スマホ 43%
パソコン 35%
(東アジアからの観光客)
スマホ 44%
パソコン 29%
(欧米やオーストラリアからの観光客)
スマホ 44%
パソコン 56%
※2013年4月~6月に観光庁調査
※調査場所は国内の10ヶ所の空港と1ヶ所の港
※観光・レジャー目的で滞在日数90日以内の外国人が対象
この結果は意外。街で見かける観光客らしき外人を注意深く見るのですが、スマホを利用している人はまだまだ少ないという認識でした。その中でも、たまにスマホをいじっている観光客がいるのですが、その人達の多くは中国人か韓国人。ネットで調べ物をしているというよりも、通話している場面が多いという印象です。だから、この結果は意外なのです。
半数近い外国人観光客がスマホを利用しているとなれば、観光地への誘導や土産物販売に使わない手はありません。特に、日本の場合、まだまだ英語などの外国語表示が少ないので、スマホを活用するメリットは大きいと思います。例えば、レストランでは、スマホ経由で英語メニューを提示できます。リアルの英語メニューを作れば、利用せずにメニュー改定を迎えた、という悲しい事態が起きかねません。スマホで情報提供すれば、即座のメニュー改定も可能。当日おすすめメニューを英語で伝えることも可能なのです。土産物売場でも、スマホを介した英語POPを作れば、売上が大きく増加するかもしれません。
さらに、この記事には興味深いことが記されていました。
地域別にみると、韓国、台湾など東アジアからの観光客はスマホが44%に対して、パソコンは29%。スマホ派は個人のブログから観光情報を得る人が多い。
欧米やオーストラリアからの観光客はスマホ派が44%まで高まっているものの、パソコン派の56%を下回った。スマホを使っている人は、飲食店や交通手段に関する情報収集に使う人が目立った。(同日付 日経MJ)
「個人のブログから観光情報」ということは、日本に来てから調べてみるということになります。それだけ、タイムリーな情報が欲しいということでしょうか。また、この「個人のブログ」とは、同じ言語を使う観光客の口コミに他なりません。口コミが集客や売上に大きな影響を及ぼしているということなので、外国人観光客にいかに口コミしてもらうかが重要なのです。ブログに書きやすいように、外国人向けの英語版メニューを店外でも見られるようにしたほうがいいかもしれません。土産物も然り。最低でも、ローマ字の表記は必要になります。
スマホを使って飲食店や交通手段に関する情報収集をしているとういことは、英語などの外国語によるリアルの情報が不足していることでもあります。実際、日本語のフリーペーパーやチラシは多数ある一方、英語表記のものは、公的なものを除いてほとんど見当たりません。それだけ、英語による情報提供がお金になりにくいのかもしれません。しかし、ニーズが確実にあるわけで、外国人観光客数のパイ全体が拡大すれば、事業機会になることでしょう。
☆今日のまとめ☆
外国人観光客でスマホを利用する人は増えている。
その利用シーンは、飲食店や交通手段の情報入手。
まだまだ英語など外国語情報が不足している証拠でもある。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
私も海外旅行で一番困ることは、英語がなかなか通じない環境でしょうか。
英語メニューのないお店は、本当に困りますね。
写真があれば、なんとかなるのですが、写真さえ無ければ、注文は博打になります。