デパートメントストア

by courtesy of ptufts

 

百貨店の売上が好調のようです。

 

大手百貨店5社が1日発表した9月の売上高(既存店ベース、速報値)は全社が前年同月を上回った。全社が増収を確保したのは2カ月連続。高級腕時計や宝飾品など高額品が引き続き堅調だったほか、9月後半に気温が低下したことで、秋物の衣料品の売れ行きも良かった。(2013年10月2日付 日経新聞朝刊)

 

百貨店が売上を伸ばしているのは、高額商品が依然売れているから。さらに、猛暑の影響で衣類販売も好調だったようです。当たり前ですが、百貨店ではモノが売れているのです。

 

アベノミクス効果なのは間違いありません。株高による資産効果も少しはあるのでしょう。しかし、春のように株価が上昇しているわけではなく、どちらかというと上昇したり下落したりのボックス圏で推移しているので、資産効果は春ほど大きくないでしょう。それでも、消費者が百貨店で支出を増やしていることは、何かしら収入が増えたからに他なりません。

 

では給与が増えたかというと、増えていません。厚生労働省が発表する現金給与総額を見ると、次のようになっています。

 

【現金給与総額の前年比】

1月 0.1%増

2月 0.8%減

3月 0.9%減

4月 0.0%増

5月 0.1%減

6月 0.6%増

7月 0.1%減

8月 0.6%減

※   厚生労働省調査

※   2013年

 

単純に増減だけ見ると、増加したのは2ヶ月のみで、減少した月の方が多いのです。さらに、直近の数字を見ると、7・8月と二ヶ月連続で減少しています。現金給与総額を見る限り、給与が増加していないことがわかります。

 

資産効果もさほど無く、さらに給与も減少傾向なのに、なぜ百貨店は売上を伸ばすのか。最初、かなり不思議に感じましたが、労働形態で分類すると、そのカラクリが理解できました。

 

厚生労働省の現金給与総額は、雇用者全体の平均値です。つまり、正規雇用者と非正規雇用者を混合しているのです。ここからは推測ですが、給与水準の高い正規雇用者がさほど増えない一方で、給与水準の低い非正規が増えれば、全体の平均値は下がります。非正規が正規よりもかなり増加したからこそ、現金給与総額は減少したのではないでしょうか。

 

【労働形態別の雇用者数の推測】

[正規]給与水準が高い→少しの増加

[非正規]給与水準が低い→かなりの増加

→給与水準の低い非正規雇用者の割合が増加したことで、平均値である現金給与総額は減少

 

アベノミクスによる景況感の回復で、正規・非正規とも現金給与が増加したとしても、余裕が出るのは正規社員のみ。給与が増加しても、非正規の水準は依然低く、価格の高いモノには手が出ません。

 

【労働形態別現金給与の増減推測】

[正規]給与水準が高い→増加して余裕が生まれる

[非正規]給与水準が低い→増加しても依然低く余裕は生まれない

 

百貨店は、余裕が生まれた正規雇用者をターゲットにしたからこそ、売上を伸ばせたのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

百貨店の売上が好調なのは、給与が増加して余裕が生まれた正規雇用者をターゲットにしているからではないか。

全体の現金給与総額は減少傾向だが、これは非正規の増加によるものと思われる。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

一言で言えば、二極化が起こっているということになりますね。