アベノミクスを論じるセッション

 by courtesy of World Economic Forum

日経新聞の広告欄に、ニッセイ基礎研究所の久我尚子さんによる、『アベノミクスによる消費者の変化と「価値」へのこだわり』という論文が掲載されていました。興味がある分野とともに、示唆に富む内容だっただけに、備忘録としてまとめておきたいと思います。

【アベノミクスによる消費者の変化と「価値」へのこだわり】

[収入]勤労者世帯の収入もじわじわと増加→富裕層以外にも消費の裾野が拡大

[収入・消費]2人以上勤労者世帯では実収入の増減率が平均値プラス1.1%、消費支出はプラス2.0%であり、消費が収入を上回る「期待先行型の消費」

[年代別]50~60代では収入に変化がないにもかかわらず消費は強いが、30歳未満は最も収入が伸びているが消費は比較的弱い

[年代別]若年世帯は非正規雇用者が比較的多く、経済情勢の影響を受けやすい→収入が増えやすい一方で、不安定な生活環境のため消費には慎重

[支出]「住居」と「光熱水道」以外の全ての項目で支出額が増加

[食品支出]全ての品目で支出が増加、中でも肉類や酒類・飲料の増加が目立つ→全体的には安いものよりも少し高くても品質の良いものを選ぶ傾向

[被服・履物支出]全ての年代で洋服が増加

[携帯電話支出]全ての年代で増加、端末購入代は30代未満で減少、30代以上で増→スマホへの以降が高年齢層に移行

[教養・娯楽]サービスの中ではパック旅行費や宿泊料の増加が目立つ、若年層ほどパック旅行費、高年齢層ほどパック旅行費以外の宿泊料が増加

[勤労者世帯のアベノミクス消費の特徴1]高級食材や外食、ファッションなど手の届きやすい価格で日常生活を潤わせる「プチぜいたく消費」の活性化

[同2]比較的高額なものは生活必需度の高い耐久財から進んでいることや、割高感のある海外旅行よりも国内旅行が選択されていることから、「堅実・慎重な消費」態度。

[消費者の価格別こだわり]安いものには品質や機能性などのプラスαの付加価値を求め、高いものには満足度や楽しみなどの精神的に言えられる価値と金額のバランスを吟味

[価値のヒント]モノが価格以上に与える機能性のほか、物語性や意外性といった精神面へのアプローチ

[コト消費]モノを選ぶ行為全体が与える価値

※2013年10月25日付日経新聞朝刊の30・31面から一部抜粋

この論文(記事と言ってもいいほどですが)を読んでわかるのは、年代別・雇用形態別の消費行動が明らかに違うということ。アベノミクスでうまく収益を上げたドメスティック企業は、消費意欲を高めた高齢者・正規雇用者をうまく獲得したということでしょうか。

消費意欲を高めた消費者獲得競争は激しいものの、消費意欲がそれほど高まっていない層を獲得しても、なかなか収益増に結びつかないということは、ファストフードチェーンが証明しているように思えます。

誰をターゲットにするかは、今後増々重要になるように思えてなりません。

 

☆今日のまとめ☆

アベノミクスによりプチぜいたく消費が増えたものの、まだまだ堅調・慎重。

さらに、年代・雇用形態により消費意欲に大きな差がある。

よって、消費意欲の高い層をターゲットにするかどうかで、企業収益は大きく変わる。

 

 

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☆  今日のこぼれ話☆

日経新聞を読んで最近深く感じることは、不動産投資に関するセミナーの広告が多いこと。

これ、バブルを引き起こしかねないですよ。

07年並の資産バブルは覚悟しておいた方がいいでしょうね。