百貨店業界が好調なのは、商品・消費者の二極化に上手く乗ったから?

地方の百貨店?

by courtesy of Guwashi999

10月の日経MJですが、アベノミクス消費に関する記事が一面で取り上げられていました。

消費をリードするのはいつの時代も女性だ。アベノミクスの高揚は、彼女たちの心を動かしているのか。東京・丸の内と大手町で働く108人に聞いた。有力企 業が集まり、旬の商業ビルも林立するエリア。経済、消費双方のトレンドに触れる彼女らの生活からは、景気回復のスピードに先行して力強さを増す「ご褒美消 費」が見えた。(2013年10月28日付 日経MJ)

この記事を読むと、大企業で働く女性の景況感はかなり良好なことが理解できます。ただし、この記事で取り上げられている女性は丸の内や大手町にある大企業で働く女性である点には、注意。恐らく正規雇用者でしょう。そして、バブルを経験した50代とリーマン・ショック後に就職した20代の違いも、取り上げられています。

この記事を読んで感じたことが、アベノミクスによって消費に二極化が起きていること。しかも、その二極化が商品と消費者に起きているということです。

【アベノミクスが引き起こした商品・消費者の二極化】

[商品]

ハレ商品→高くても売れる

ケ商品→節約志向が根強い

[消費者]

都会・正規雇用(現在・元)・30歳以上→消費旺盛

地方・非正規・20歳代→消費慎重

商品に関して、旅行サービスが伸びているのは、ハレ商品の売れ行き好調を物語っています。そして、雑貨。日経MJの記事では、イケアで買ったカーテンを、大塚家具の高級カーテンに切り替える女性が取り上げられています。デザイン性を持つ非耐久消費財も、ハレ商品に入ります。一方、ケ商品の代表格は、食料品。スーパーの景況感DIが依然マイナスなのは、食料品の単価がなかなか向上しないことを物語っています。

消費者の二極化は、場所・雇用形態・年齢などで分かれます。上記日経MJ記事のように、東京などの都会で働く正規雇用者は、ボーナス増などもあり消費は旺盛。給与が増えていなくとも支出を増やしている人もいるなど、景況感が向上したムードに乗って、消費を増やしているのです。そして、平成バブルや06年~07年のミニバブルを知る30歳以上の消費者は、少し財布の紐を緩ませがちです。一方、景況感の良さがなかなか感じられない地方や非正規雇用者、そしてリーマン・ショック後に就職した20歳代は、まだまだ財布の紐が固いのです。

商品・消費者の二極化で業績を伸ばすのが、百貨店業界。逆に、二極化で業績低迷を余儀なくされているのが、スーパー業界でしょうか。ファストフードの不振も、これら二極化で説明が付きます。大手企業の参入で増える郊外型カフェは、普段利用の外食店舗なので、一見ケ商品に見えます。しかし、そこで提供されるのは、単なるコーヒーではなく、フルサービスと居心地のいい雰囲気が付いたコーヒー。ケ商品をハレに近くして提供するからこそ、ウケているのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

アベノミクスで起こっているのは、商品・消費者の二極化。

ハレ商品は売上を伸ばす一方で、ケ商品は低迷から抜け出せない。

消費者も、場所や雇用形態や年齢により、消費意欲に大きな差が生まれている。

 

 

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆    今日のこぼれ話☆

食料品の値上げをニュースでよく耳にしますが、個人的には安くなったと感じることが多いですね。

通常価格は上がったものの、特売価は変わらず、または下がっているという印象です。

それだけ売れていないということなのか、それとも消費増税前に稼いでおこうということなのか、気になるところ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です