リンガーハットのカフェ併設店が教えてくれる、コーヒーという商材の終わり
リンガーハットがカフェ併設のちゃんぽん店をオープンさせるようです。
長崎ちゃんぽんのリンガーハットはカフェ併設型のちゃんぽん店の出店を始める。コーヒーなどのカフェメニューを充実させる。通常のレジのほかにカフェ専用のレジも設置して、カフェ目的の客にも利用しやすいようにする。新型店で客層を広げて成長力を高めたい考えだ。(2013年11月27日付 日経MJ)
目的は、カフェ需要を取り込み、客数を増やすため。リンガーハットは、もともと既存店売上高(PDF)が好調なのですが、ランチ需要への依存が高く、いずれ成長は鈍化すると考えているようです。純既存店で売上が昨対比でマイナスになったのは、7月のみ。(3月~10月)この要因は、客数の増加です。客単価は減少しているので、500円ワイコイン商品など手頃な価格の商品を提供することで、集客に成功しているようです。この成功に甘んじることなく、次の手を打つとはさすがですね。
客数を増やすために採用したのが、コーヒーなど喫茶メニューの提供。喫茶メニューを導入すれば、ランチ以外の比較的暇な時間で売上を稼ぐことができるので、従業員の増員など新たなコストはほとんど掛かりません。追加で掛かるコストは、喫茶メニューを調理する機械や商材の保管場所、その他導入費用でしょうか。逆に言えば、喫茶メニューは、それだけ低コストで導入できる商品と言えます。
何が言いたいかと言いますと、ちゃんぽん店というカフェとは関連の薄い業態の企業ですら、喫茶メニューを導入できるということです。リンガーハットの場合は、150円のコーヒーという低価格を売りしていますが、価格さえ工夫すれば、どんな企業でもコーヒーを提供できるのです。つまり、それだけコーヒーという商材の付加価値は、低減しているのです。
リンガーハットのような喫茶メニューを導入する非カフェ業態が増えると、単にコーヒーを提供するだけでは、ビジネスとして成り立たなくなるのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
ちゃんぽん店のリンガーハットが、カフェ需要を開拓し客数を増やすために、カフェ併設店をオープンする。
それだけコーヒーは誰でも提供できるメニューになったことの表れであり、単にコーヒーを提供するだけでは、ビジネスとして成り立たないことを教えてくれる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
セブン-イレブンのセブンカフェも、多種多様なサービスを提供するコンビニだからこそ、売れていることになりますね。