クォーターパウンダーの期間限定商品ポスター

 

日本マクドナルドの第二四半期決算が発表されました。

 

 日本マクドナルドホールディングスは2013年12月期の連結経常利益が前期比18%減の195億 円になると発表した。従来予想は1%増の240億円だったが、一転して減益となる。9日記者会見した原田泳幸会長兼社長は高額消費を押し上げるアベノミク スが逆風になっているとの認識を示し「外部環境はかなり厳しく、2期連続減益は数字上事実」と語った。一問一答は次の通り。(2013年8月11日付 日経MJ)

 

日経新聞にも、この決算内容が大きな記事で取り上げられていました。その論調は、至ってネガティブ。マクドナルドのみならず、牛丼チェーンを含めたファストフードが苦戦していると、報じられています。そこで改めて、マクドナルドの第二四半期(2013年4~6月)決算内容について調べたところ、意外な事実がわかりました。それは、

 

実はそれほど悪くない

 

ということです。そう考えた論拠をまとめると、次のようになります。

 

【マクドナルド2013年4~6月決算内容がそう悪くないと考える理由】

[売上高減少率]改善している(85.4%→92.2%)

[営業利益率]改善している(5.1%→5.8%)

※2013年1~3月→2013年4~6月

第一四半期決算短信第二四半期決算短信より(いずれもPDF)

 

2013年1~6月で見ると、確かに大きく減少しているかもしれませんが、それは1・2月の売上が大きく落ち込んだからに他なりません。

 

【2013年1月・2月の売上高】

[全店]1月-15.2%、2月-10.4%

[既存店]1月-17・0%、2月-12.1%

月次セールスレポートより

 

3月以降は持ち直し、5・6月に至っては全店・既存店ともプラスに転換しています。つまり、業績は3月以降回復に向かっていることがわかります。

 

営業利益率の改善は、客単価の向上によるものと思われます。実際、5月以降は客単価は増加に転じています。

 

業績予想を下方修正したのは、1・2月の大幅減少を、当初は第二四半期で補えると期待していたのでしょう。しかし、実際はそう甘くはなかった模様。ただし、そのままズルズルと悪化するのではなく、改善しているのですから、今後の業績には期待が持てます。

 

特に、

 

客単価がプラスに転じた

 

ことは大きいのではないでしょうか。というのは、マクドナルドのターゲット層を考えれば、わかりやすいかと思います。

 

【マクドナルドのターゲット層】

[ターゲット層]若者層(20代以下)、小学生以下を持つ家族連れ

[ターゲット数]減少傾向

[可処分所得]減少傾向

 

家族連れはそうではなくとも、若者層の減少は続いています。さらに、若者層・家族連れとも、お小遣いや住宅ローンや教育用の貯蓄などのため、可処分所得は減ることはあっても増えることはなかなか難しいのが、現状ではないでしょうか。これらの層をターゲットとしている以上、前年同期比よりも業績を良くするのは相当難しいのです。

 

そこで売上を維持・増加させるためには、客単価を引き上げるしかありません。そこで、単価の高い商品の導入が必要となります。ただし、価格があまり大きく高い商品を導入すると、ターゲット層の可処分所得が減少している以上、売れなくなります。

 

では、なぜマクドナルドは客単価引き上げに成功したのか。それは、

 

以前マクドナルドを利用していたが、今では利用しなくなった旧顧客を集客できたから

 

ではないでしょうか。この旧顧客とは、30~40代の社会人。これらの層は、10年前以上にマクドナルドを利用していました。しかし、所得もそれなりに増えたことで、マクドナルドよりも美味しいものを食べることができるようになり、マクドナルドの利用をやめたものと思われます。その旧顧客が、クォーターパウンダーの期間限定商品やプレミアムバーガーの発売により、また利用するようになったのではないでしょうか。ビッグアメリカの販売で、普段マクドナルドを利用しない人がビッグアメリカを食べたくなり、マクドナルドを利用したのと、同じパターンです。

 

当初、この高単価バーガーの発売は、失敗すると考えていました。しかし、一部売り切れ商品が出るほどの盛況ぶり。月次実績にも、高単価バーガーの好影響は色濃く出ています。

 

【2013年5~6月月次実績】

[全店売上高]5.6月プラス、7月-0.8%

[既存店売上高]5・6月プラス、7月-2.7%

[客数]全てマイナス

[客単価]全てプラス

 

7月は売上高がマイナスに転じていますが、マイナス率は今期最低。また、客単価は、1000円バーガーの影響からか、7月+7.5%と2011年以降で最高の数字を記録しています。客単価増加による業績回復を目指していると考えるならば、7月も業績回復は継続していると考えることができます。

 

ファストフード業界には、アベノミクスによる恩恵は及んでいないと考えられていますが、プレミアムバーガーの販売に成功したマクドナルドを見ると、そうとは言えないように思えます。要は、価値ある商品を販売できるかに掛かっているのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

売上高・営業利益率の前年同期比を考えると、4~6月期は1~3月よりも改善している。

業績予想を下方修正したのは、1・2月の大幅売上悪化の影響が残っただけであり、月次の客単価・全店売上・既存店売上を見る限り、改善傾向は継続している。

 

この要因は、価値の高いプレミアムバーガーを導入することで、マクドナルドを卒業した人を取り戻すことができたからではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

今思えば、プレミアムバーガーを食べなかったことを後悔しています。

こういう人が多いならば、第二弾もありえますね。