マクドナルドの店舗Stephen Cannon

マクドナルドの5月既存店売上高が発表されました。

 

日本マクドナルドホールディングスの5月の既存店売上高が、14カ月ぶりに前年同月を上回ったことが 分かった。伸び率は1%前後とみられる。5月7日の価格改定でハンバーガーなどを値上げする一方、100円台の商品を増やした結果、全体の客単価が上昇し たもよう。季節限定商品を集中発売した効果も出た。(2013年6月8日付 日経新聞朝刊)

 

日経記事では、5月既存店売上高がプラ転したことに対して、好意的に捉えていますが、数字をじっくり見ると、そう喜べることではありません。

 

【マクドナルド5月既存店売上高2013年・2012年比較】

[2013年]         売上高+0.5%・客数-3.1%・客単価+3.7%

[2012年]売上高-11.0%・客数+2.2%・客単価-12.9%

日本マクドナルド月次セールスレポートより

 

要は、2012年の数字が悪すぎたのです。既存店売上高が二桁減したのは、ここ1年間で今年の1月・2月と昨年5月の3回だけ。それだけ、昨年5月の数字が悪かったことがわかります。だから、2013年5月はそこそこの売上でも、プラスになりやすかったので、辛うじてプラスを達成できたのです。原田社長が5月のプラ転を予言していたことも、これで納得です。

 

客数の減少・客単価の上昇の要因は、明らか。日経新聞でも報じている通り、値上げの影響が、客数と客単価にもろに出ました。値上げによって、次のような変化が生じたのだと思います。

 

【値上げによって起こったマクドナルドに対する変化】

[1]      ハンバーガーなど100円メニュー目当ての顧客が離れた→客数の減少

[2]      100円メニュー以外の理由で利用していた顧客が残った→客単価の上昇

 

要は、安いからマクドナルドを使っていた人がいなくなり、マクドナルドが好きで利用していた人が残ったことになります。利益率の改善を目指すマクドナルドとしては、この変化は喜ばしいのではないでしょうか。

 

この値上げによる変化は、消費税増税による変化に応用することもできます。消費税増税によって、税込価格が2014年4月(税率が5%から8%に上昇)に2.8%、2015年10月(税率が8%から10%に上昇)に1.8%上昇します。これによってある程度の顧客離れは避けられないかと思います。というのも、消費者は、価格上昇に対して、どのお店を利用しようかと改めて考えるからです。値段が上がっても利用する価値があると考える人は、継続して利用してくれますが、値段の安さを理由に利用していた人は、競合店舗に宗旨替えするかもしれません。ちなみに、マクドナルドの全体の値上げ率は0.3%程度であるものの、主力商品の値上げ率は、消費増税以上に及んでいます。

 

【マクドナルド主力商品の値上げ率】

ハンバーガー 100円→120円=20%

チーズバーガー 120円→150円=25%

シャカシャカチキン 100円→120円=20%

日本マクドナルドプレスリリースより

 

二桁の値上げ率であり、さらに100円というワンコイン価格で無くなることによって、主に低価格志向の顧客約3%を失ったのだと思います。消費増税では1.5~3%の価格上昇率に留まるので、マクドナルドほど客数は減少しないでしょう。しかし、増税により税込の客単価が上昇しても、客数が減少する限り、税抜きの既存店売上高は減少します。

 

税抜きの客単価→(一定)X客数↓(減少)=税抜きの既存店売上高↓(減少)

 

ということは、消費増税以外で客単価を上昇させる努力が必要になります。そういう意味では、マクドナルドの値上げは、消費増税を念頭に置いたものなのかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

マクドナルドの5月既存店売上高がプラ転したのは、値上げにより客数は減少したものの、客単価が上昇したから。

消費増税でも、価格上昇により利用店舗を再考する消費者が必ずいることから、一定の客数減は避けられないだろう。

よって、消費増税以外で客単価を上昇させる努力が必要になる。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆    今日のこぼれ話☆

マクドナルドは、値上げだけでなく、既存の原材料を使った儲かる新商品の開発に力を入れているようですね。

最近見たのは、チキンタツタならぬポークタツタ。

どんな味がするのでしょう?