スタバの強さを分解すると好業績が理解できる
日経新聞の会社研究という連載で、スターバックスコーヒージャパンが取り上げられていました。
スターバックスコーヒージャパンの業績が拡大している。2014年3月期の経常利益は3期連続で過去最高を更新。日本マクドナルドホールディングスを抜 き、日本上陸から18年で初の外食首位となる見通しだ。ネット上の口コミの活用で固定客を囲い込み、来期は都心以外で新規出店を加速。コンビニエンススト アを含めた「コーヒー戦争」で勝ち残りを図る。(2014年1月24日付 日経新聞朝刊)
スタバの強さの秘密をまとめると、次のようになります。
【スタバの強さの秘密】
[1]口コミ活用で集客→高い利益率
[2]常連客が多い→安定した業績
[3]高いブランド力→高くても売れる
1について、記事では日本マクドナルドと比較されていました。マクドナルドの売上高経常利益率が3.8%であるのに対し、スタバは9.2%。500円の売上を上げたとしても、マクドナルドには19円しか残らないのに対し、スタバは46円も残ります。単価が同じとしても、2倍以上稼いでいるのです。利益率が高いのは、広告を使わず口コミで集客しているからに他なりません。
ただし、簡単に口コミが起こるほど、今の消費者は甘くありません。口コミが起こるような仕掛けが必要で、スタバは月替りの期間限定商品や心地良い店内体験で、口コミが起こるようにしているのです。心地良い店内体験とは、雰囲気や店員による接客が快適ということ。限定商品で驚きを、店内体験で居心地を提供しているとも言えます。
2について、固定客の多さもスタバの特性です。記事によると、特に女性に多い模様。固定ファンが多いことで、コンビになど競合の多いコーヒーという商材を扱っていながら、安定した売上を享受できます。この安定度は、大きく崩れない既存店売上に表れています。
3について、スタバがこれまで都心を中心に出店を行い、今年から地方に本格出店を進めるようです。つまり、都心で店舗を増やすことで、そのブランド力を磨き、その高いブランド力を旗印に地方に進出するということになります。ブランド力の高さは、価格が高くても売れる環境を生み出します。これは、高い利益率に結びつきます。高くても来店客で溢れる店舗は、そのブランド力をさらに高め、地方の消費者が憧れるブランドに成長します。その結果、比較的可処分所得の低い地方でも、単価の高いスタバ商品が売れることになり、利益率向上に寄与することでしょう。
このように見ると、スタバは、
そもそも利益率が高く
安定した客数を維持でき
高い客単価も維持できる
ということになります。この結果、高い客単価X高い客数で既存店売上を増やせるだけでなく、利益率も高いので、営業利益も増えることが理解できます。さらに、今年から地方出店を本格化させると、既存店収益のみならず、全体の収益も伸びることが容易に想像できます。
スタバの好業績は、別に不思議でもなんでもないのです。
☆今日のまとめ☆
スタバの好業績は、口コミ活用による利益率の高さ、固定ファンの多さによる安定した売上、高いブランド力による売れる高単価商品に、秘密がある。
今年から本格的に地方出店を進めるので、既存店のみならず全店収益も拡大するのは疑問の余地がない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
スタバの店舗は、いつも本当に人が入っていると思います。
目新しさはもう無いのに、しかも競合店が多いのに、ここまで惹きつける魅力はスゴイの一言。