アマゾン定期おトク便が実店舗型小売に及ぼす脅威とは?
by courtesy of Jeremy G.
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の中から気になる記事をピックアップして、毎週二回メルマガでお届けしているのですが、とても興味深い記事を見つけました。
Retail store traffic has fallen, and may just stay that way
詳しい内容はメルマガ(737号)及び連携サイトを見ていただきたいのですが、アメリカの実店舗型小売業が直面している課題は、もうショールーミングではないようなのです。一番の課題は、来店客数の減少。お客さんがお店に来なければ、売上も伸びないことになります。
この記事で衝撃的だったのが、アマゾンの定期おトク便(アメリカでは「Subscribe & Save」)の普及によって、購入頻度の高い日用品までネットで買うようになって、さらに来店頻度が減っているということです。一番利用頻度の高い小売店と言えば、スーパーやドラッグストアになるでしょうか。日々消費する牛乳や卵、歯磨き粉などを購入する実店舗型小売です。これらの日用品は、アマゾンの定期おトク便を使えば安く買えるので、アメリカでは利用者が増えているようなのです。
ただ、アマゾンの定期おトク便の利用者増加は、実店舗型小売店への来店客の減少を招くだけではありません。衝動買いの機会まで奪うことになるようです。衝動買いと言えば、来店前は買うつもりがなかったものの、売場でついつい買ってしまうという消費行動。よくあるのが、新商品の菓子などでしょうか。新商品の菓子が定期おトク便で買えるとは思いませんが、定期おトク便を利用することで、来店機会が少なくなれば、新商品の菓子を衝動買いする可能性が低下することになります。ついつい買ってしまう衝動買いは、価格比較に晒させることもなく、小売店にとっては利益率の高い販売手法。この儲けをもたらす衝動買いが少なくなれば、小売店の収益に大きな打撃を及ぼす恐れがあるのです。
そう言えば、日本のスーパーでもスマホ片手に買い物をしている人が増えたように思えます。スマホで何をしているのかはわかりませんが、アマゾンで買えるかなどを調べているとすれば、ついつい買ってしまう衝動買いも少なくなります。小売が儲からなくなったのは、消費者がスマートになり、衝動買いが少なくなったからかもしれません。
☆今日のまとめ☆
アマゾンの定期おトク便が普及すれば、日用品目当ての来店まで少なくなる。
その結果、日用品を主に扱うスーパーやドラッグストアの衝動買いが少なくなり、収益に打撃を与えることになる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
消費増税前の駆け込み購入、皆さん始められていますか?
私は、価格変動の大きな日用品は、増税後逆に下がると予想しています。
変動の小さな商品は、そろそろ駆け込もうかと考えています。