大盛りのパスタ

by courtesy of Howard Walfish

 

前回に引き続き、日経POSセミナーのレジュメから学んだことを、メモしておきたいと思います。

 

このセミナーでは、大盛り冷凍パスタが、商品力のある商品として取り上げられていました。ちなみに、商品力と対照的な言葉として、流通力があります。

 

【商品力と流通力】

[商品力]消費者が購入したいと思っているか→出現店千人当り金額(対象商品を取り扱う店舗で来店客1000人当りに売れた金額)

[流通力]小売りが扱いたいと思っているか→カバー率(対象商品が売れた店舗数の、対象店舗全体に対する割合)

 

大盛り冷凍パスタは、出現店千人当り金額が上位のため、商品力の高さは明確。一方、カバー率は低く、取り扱う小売店はまだ少ないのが、現状です。売上金額の稼げる商品なので、今後取扱店舗数(カバー率)が増加することが予想できます。ただし、もしかしたら、粗利益率が他冷凍食品よりも低いために、扱いたくないと考える小売店が多いのかもしれません。

 

ともかく、大盛り冷凍パスタの商品力の高さは明確で、消費者の心を掴んでいるのは間違いないわけで、その理由(≒消費者ニーズ)を考えれば、他の商品開発にも活かせることになります。

 

【大盛り冷凍パスタが売れる理由】

[1]ターゲットはリタイアした夫婦。1人前は食べきれず、ちょうどいい分量だから。

[2]ターゲットは小さな子供二人で食事をする母親。ちょうどいい分量だから。

[3]ターゲットは一般家族。簡単に一品追加できるから。

 

従来大盛りは、食べ盛りの高校生や男性サラリーマンがターゲットの商品でした。しかし、これらの消費者層が増えているとは考えにくいのが、現状です。子供の数は減少していますし、団塊の世代の引退が増えていることから、男性サラリーマンも減少傾向。この分析からわかるのは、大盛り商品は売れる見込みが薄いということです。

 

一方、冷凍パスタは、主婦の昼食向けに人気の商品。自分だけの食事で鍋やフライパンを汚すのは手間だからです。さらに、リタイアした団塊世代の男性の購入も多いのです。だからといって、大盛りが売れる理由にはなりません。これらの二つの消費者層にとっては、大盛りである必要性は低いからです。

 

そこで、改めて日本の人口動態と消費者ニーズを考えてみると、大盛りが売れているヒントがわかります。人口動態とは、高齢化であり、リタイアした団塊世代が増えていることです。この層は量よりも質を重視しますので、一見大盛りが売れる理由にはなりません。しかし、大盛りを二人で分ければ、一人あたりの量は少なくなり、ニーズに合致します。さらに、消費者ニーズとして、強まる傾向にあるのは時短ニーズ。コンビニが好調に売上を伸ばす大きな要因は、この時短ニーズに合致しているから。大盛り冷凍パスタを利用すれば、時間を掛けずに夕食にもう一品追加できます。通常サイズでは、家族で分けるには小さすぎ、大盛りがちょうどいい大きさなのです。小さな子供と一緒に食べる母親のニーズは、このミックスとも言えます。

 

このように、大盛り冷凍食品が売れている背景には、日本の食卓の変化があるのです。ニーズに落としこむと、次のようになります。

 

【大盛り冷凍食品人気からわかる消費者ニーズ】

[1]少しだけ食べたい(特に高齢者)

[2]時間を短縮したい

 

これらニーズに焦点を当てた商品開発を行えば、売れるかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

大盛り冷凍食品が売れるのは、少しだけ食べたいニーズと時短ニーズに合致しているから。

食卓の変化に着目した商品開発・販促が、その要因と言える。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

「大盛り=若者・男性」という考えは、古いということです。