Photo:Top Shop By:thinkretail
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ゾゾタウンが昨年鳴り物入りで始めたスマホアプリ・WEAR(ウェア)が、早々に機能を縮小するようです。

衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは8日、スマートフォン(スマホ)アプリ「WEAR(ウェア)」のサービスを見直すと発表し た。月内でバーコードを通じて衣料品を購入できる機能を中止する。実店舗で商品を下見してネット通販で購入する消費行動「ショールーミング」につながると 注目を集めたが、利用者が伸び悩んでおり、導入から半年で方針を転換する。(2014年4月11日付 日経MJ)

ウェアとは、店頭の商品を通販サイトの商品と比較できるアプリ。価格比較だけではなく、コーディネート方法を調べたり、登録した自分の衣類とのコーディネートを確かめることもできる、ファッション関連のアプリです。日経新聞にもこのニュースが報じられていたのですが、どちらかというと、実店舗のショールーム化を懸念する実店舗企業の賛同を得られなかったことが、機能縮小の要因とされていました。しかし、機能縮小に至った本当の原因は、ウェアの利用者がさほど増えず、売上増に貢献しなかったからです。ショールーム化の懸念は、ウェアをリリースする時からわかっていたこと。だから、多くの実店舗型アパレル企業は、参加を見合わせました。パルコなど一部の企業のみでのスタートになりましたが、ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイは、これも想定内でしょう。ウェアユーザーが増加し、ウェアの活用により実際に売上が増加すれば、参加企業も増えると読んでいたのだと思います。この読みが外れたからこそ、機能縮小、実質的にはサービス停止に至ったのです。

では、なぜユーザーの支持を得なかったのか。この答えは、日経MJで明らかにされています。

まず「目の前にある衣服をわざわざスマホで購入して、配送してもらうことへの動機付けがなかった」(アパレル大手幹部)。

(中略)

冷蔵庫や洗濯機のように持ち帰りが難しいわけでもない。スマホで購入する利点は、ポイント付与程度に限られた。パルコの担当者は、「店舗のバーコードを読み取った後で、さらにタグを読み取るという使い勝手の悪さや、そうした行為自体を嫌がった」のも一因とみる。(同上 日経MJ)

簡単に言えば、ウェアを使うメリットが明確でなかったことが、一番大きな敗因のようです。アパレル商品は、家電や飲料など持ち運びに大変だったり、価格差が大きな商材ではありません。アパレル商品の難点は、自分好みの商品になかなか巡り合えないことですが、ネット通販を利用するのではなく、実店舗まで足を運んでいる以上、この難点はさほど大きな問題ではないはず。目の前に気になる商品があれば、早く欲しいのが普通です。だからこそ、ネット通販企業は即日配送に力を入れているのです。さらに、アパレル商品は他の量販品と違って、常に在庫がある商材ではないので、気に入れば早く購入しなければ、売り切れてしまいます。ウェアを使うことなく、気に入った商品はその場で購入する人が多かったのではないでしょうか。

一見便利そうに見えるサービスでも、動機付けが強くなければ、普及しない。特に、面倒を嫌い、利便性を優先する消費者が増えていることを考えると、動機付けの強さはかなり重要になっていると思います。ウェアの失敗から学べることです。

☆今日のまとめ☆

ウェアが失敗したのは、利用する動機付けが弱かったから。

いくら便利なサービスでも、動機付けの強さが成功する条件だろう。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ウェア開始により、ゾゾタウンの売上が明確に増加しているなら、スタートトゥデイも継続する意味があったと思うのですが、そうではなかったのでしょう。

個人的には、自分の好みを登録すれば、好みに合う商品を知らせてくれるアプリがあれば、嬉しいかなぁ。

ネット通販で買ってもいいのですが、服は試着しないと失敗しそうだから。