Photo:momotan By:[cipher]
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今回土産物を取り上げるのは、はてなブックマークで岡山のももたんを知ったからです。秀島さんという起業家が、岡山の土産物の改革を行っているのですが、その実情がすさまじい。日々の出来事や所感がブログで公開されているのですが、新しいことを始めようとすると、いろいろ横槍(というか嫌がらせ?)が入るのですねぇ。当事者の話なので、少し割り引いて考える方がいいですが、まぁ新規参入の難しさを再認識しました。

 

そこで、土産物市場について興味を持ったので調べたところ、その市場規模は約2.5兆円。ちなみにこれは、観光土産市場であり、手土産市場は約1.5兆円のようです。2.5兆円と言えば、外食(23.2兆円)の約10分の1、スーパー(12.7兆円)の約5分の1、ブライダル関連(2.6兆円)とほぼ同じ規模です。それなりの市場規模があるからこそ、秀島さん率いるナショナルデパートは参入したのかもしれません。

 

土産物(今後、観光土産を土産物とします。)の商材としての特徴を見ると、その市場環境がなんとなく理解できます。まず、土産物はそう頻繁に購入するものではありません。観光土産というだけあって、旅行に行った時だけであり、年に数回買うもの。だから、失敗をできるだけ避けたい考える人が多いのではないでしょうか。そのため、老舗ブランドが強くなります。「創業○○年」と訴えることが販促になるのです。

 

また、マスコミでの露出をアピールするのも、失敗したくない感情に訴えるため。有名人や有名な番組で取り上げられれば、失敗する確率は低いと考えられるからです。

 

JR三ノ宮駅前の売店で販売される土産物の多くが、老舗ブランドであり、またテレビ番組で取り上げられたことをアピールするPOPが付けられているのは、上記によるものと考えられます。逆に言えば、老舗でもなく、マスコミ露出も無ければ、それ同等の購入動機が無くては、買ってもらえないことになります。だから、ナショナルデパートは、ネットを通じた情報発信に力を入れているのかもしれません。

 

さらに、土産物を買うこと自体、旅行の楽しみですが、メインイベントではありません。だから、時間の制約を受けます。そのためでしょうか、駅近くの売店での扱い品目数が多くなったような気がします。販売店舗の立地の違いで、売上が相当違うのかもしれません。

 

もちろん、金銭のやりとりが発生するがゆえに、予算の制約も受けます。旅行総予算にはもちろん、移動費(飛行機チケット代など)や宿泊費(ホテル代など)・食費(飲食店での支払い料金など)にも影響を受けます。LCCの普及によって移動費が低くなったことは、土産物には追い風になります。アベノミクス効果で旅行総予算が増えている可能性は高く、その結果、土産物の単価が上昇しているかもしれません。

 

国内旅行をする人が増え、外国人観光客も増えていることは、土産物には大きなプラス。売上拡大が期待できます。一方で、土産物売り場が増えているようには思えません。このギャップが生まれるのは、先述したように、立地が土産物の売れ行きを左右するため、売り場立地が限られるからでしょうか。需要が拡大しているといっても、観光客の移動範囲は限られており、それどころか一部のターミナル駅や観光地に絞られていると言った方がいいかもしれません。よって、好立地の売り場に売上は集中し、単位面積あたりの売上金額は伸びていると思われます。

 

また、需要が拡大しているからといって、販売品目(アイテム数)が増えているとは限りません。先述したように、売れ筋が老舗ブランドかマスコミ露出商品に限られる性格上、販売品目はそう増えていないと思われます。増えていても、老舗ブランドの姉妹品が販売ラインナップに加わっている程度でしょう。新規参入組が入り込む余地は、相当狭いのです。だからこそ、秀島さんは苦労されているのでしょう。観光土産物市場は、その商材の特性上、新規参入がとても難しい市場と言えます。

 

ちなみに、秀島さんのブログを読む限り、岡山での販売には苦労されているようですが、販売実績は相当なもので、成功事例に入ると思われます。その成功要因は、デザインと品質による差別化と地産品にこだわるコンセプトでしょうか。また、情報発信に力を入れたことやクラウドファウンディングの活用も、実績のない商品の初動に大きく貢献したと思われます。

 

☆今日のまとめ☆

観光土産は、購入頻度が低いために、老舗ブランドやマスコミ露出商品が選ばれる傾向が強い。

また、購入するのに時間制約を大きく受けるので、売り場立地は限られる。

この二点から、新規参入企業が売り場を確保するのは大変難しく、新規参入が難し市場と言える。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

秀島さんのブログ、相当おもしろいですよ。