WIndowsXP特需からわかる、成熟市場で売上を伸ばす方法
Photo:A Mac running Windows XP By Kit_Hartford
WindowsXPのサポート終了に伴い、パソコンがすこぶる売れているようです。4月頭にマイクロソフトによるサポートが終了したのですが、今でも売れていること。それだけXPを使っている人が多かったということでもあり、事前告知に失敗したことの証でもあります。
それ以上に驚いたのが、XP特需によってパソコン売上が急回復しているということです。パソコンは、スマホやタブレットの普及・低価格化により、その売上は急減しました。タブレットを使った人ならわかりますが、込み入った仕事に使わない限り、パソコンで行っていた作業はタブレットで完結します。ウェブ閲覧やメール送受信はもちろん、ネットバンキングですらタブレットで行えるので、プライベート仕様ならタブレットで十分と感じる人はかなり多いことでしょう。その小型版がスマホであり、身に付けて移動できるゆえ、利用場所が限られていたパソコンと異なり、どこでもネット利用が可能になります。スマホ・タブレットは、パソコンの需要を奪ったのは間違いありません。
価格も安く、手軽となれば、パソコンがスマホ・タブレットに市場を奪われるのは仕方がありません。しかし、XP特需がこれを覆したのです。XP特需からわかることは、スマホやタブレットが普及しても、依然パソコン利用者がいるということ。これは、成熟市場に似ていますね。例えば、畳業界。洋間の増加により、畳需要の減少は想像に難しくありません。しかし、一方で畳を利用している人はいるわけであり、畳がなくちゃ困る人も、数は少ないかもしれないですが、存在するのです。XP特需は、成熟市場の中でも無くならない需要の存在を教えてくれます。
さらに、成熟市場のパソコンの売上が急拡大したのは、XPから買い換えなければならないという差し迫った需要です。つまり、相当強い購買動機が働いたからこそ、パソコン売上が急増したのです。成熟した市場でも、相当強い購買動機が働けば、売上の急増を期待できることがわかります。先述の畳で言えば、防虫対策を兼ねた畳のリフォームが当たるでしょうか。(素人考えですが)単に畳を買ってくれと言っても、購買動機が強くないので、そう簡単に売れません。しかし、リフォームしないとダニなどにより体に害が及ぶとなれば、防虫対策やリフォームを真剣に考える人も多いのではないでしょうか。
XP特需によるパソコン売上の急増からわかるのは、成熟市場でも確かな需要があるということと、購買動機が強ければ大きな売上増加が期待できるということです。
☆今日のまとめ☆
成熟市場でも、確かな需要がそこにあれば、十分やっていけるだろう。
また、購買動機を高める提案ができれば、売上の急増も期待できる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
成熟市場は、大手の参入確率が低いので、中小には持ってこいと思います。