直帰女子から考えた消費者ニーズ
Photo:Baked Egg Cocottes By Chiot’s Run
※直帰女性に人気のストウブ
5月も終わりのモーニングサテライトで、直帰女子が取り上げられいました。「直帰女子」と言われてもピンと来ない人は多いかと思います。私もてっきり、「得意先から直帰する女性の営業担当者」と考えていました。間違いです。仕事帰りにどこかに寄るのではなく、自宅に直接帰る女性という意味だそうです。
そんなの今の始まったことではなくって、昔からいっぱいいると思うのですが…なんていう反論はここでは無しとして、直帰女子の比率が高まっていることを信用するとして、今回は、どういう理由から直帰女子が増えているのかについて、考えたいと思います。
直帰することによって得られるメリットは、
[1]一人の時間を持てる
[2]緊張せず自宅でリラックスして過ごせる
[3]スマホがあれば寂しくない
[4]割安
の4点。1は、インタビューを受けたベンチャー企業に勤める女性が「コツコツと」と表現している通り、自己啓発の意味もあるかもしれません。仕事や趣味に役立つ技能を向上させたいという、前向きな女性が増えているのかもしれません。まぁ、ベンチャー企業に勤める人は、男女問わずそういう傾向があるものですが。
2について、逆に言えば、それだけ職場での緊張感が高まっているのかもしれません。人手不足という外部環境の変化を考えると、少人数で業務を遂行しなければならない場面は増えていることが容易に推測できます。ならば、それだけ緊張感が高まる場面が増え、職場がストレスフルになっているかもしれませんね。マラソンブームも、ストレスフルな平日の裏返しかもしれません。
3について、取材を受ける直帰女子が、自炊した料理をフェースブックにアップする場面が印象的でした。自宅で一人料理を作っていても、決して孤独ではないのです。スマホを使えば、友人といつでもつながれます。さらに、直帰女子が自炊料理の画像をアップすれば、それに触発されて直帰していなかった女性も直帰するという、連鎖反応が起きている可能性もあります。いやいや、連鎖反応の結果、特に注目もされなかった直帰女子が増加しているのかもしれません。
4は、言わずもがな。仕事帰りに誰かとどこかに寄ることを考えれば、直帰する方が安く付きます。割安感は、どの分野・業界でも、ヒットするキーワードですね。注意がしたいのは、「何に比べて」割安かということ。これまでの競合品と比べて割高でも、共通点のある別のカテゴリーの商品よりも割安ならば、受け入れられるのです。
これらをニーズに落としこむと、次のようになります。
【直帰女性から考えた消費者ニーズ】
[1]自分を高めるために一人の時間が欲しい
[2]リラックス時間を過ごしたい
[3]スマホさえ使えれば一人でも寂しくない
[4]できれば割安で済ませたい
スタバなどのカフェの売上が伸びているのは、1・2からでしょうか。逆に、2の要素が低いマクドナルドなど低価格ファストフードは、苦戦しています。何気なく同僚と利用していたチェーン居酒屋が苦戦しているのは、すべてのニーズに反するかもしれません。特に3を考えると、「一人暮らしで寂しいからどこかに寄る」というニーズで売り上げていた企業は、相当売上を減らしていると思われます。
ちなみに、直帰女子の成立条件は、独身女性。直帰女子の増加は、独身女性がそれだけ多いということの裏返しでもあります。
☆今日のまとめ☆
直帰女子からわかる消費者ニーズは、自分を高めるために一人の時間が欲しい、リラックスしたい、スマホがあれば一人でも寂しくない、できれば割安で済ませたい、ではないか。
これらのニーズと照らし合わせると、飲食業の優勝劣敗はある程度説明が付く。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
直帰せずに、コンパでも行けばいいのに。
そうか、そのために街コンがあるのかぁ。