アコレ高島平8丁目店は、人手不足時代の小売店のお手本?
Photo:The first Kmart Express By Nicholas Eckhart
日経MJに、格安スーパーのアコレが取り上げられていました。
消費増税後、高付加価値を求めるこだわり消費と、生活必需品で安さを求める消費の二極化が強まっている。イオンの小型ディスカウント店「アコレ高島平8丁 目店」は同業態約90店のうち売上高が最も多く、4月以降は前年同月比で1割伸びている。低コスト運営の徹底で、人気ナショナルブランド(NB)商品の安 さを追求し、節約志向の消費者を呼び寄せる。(2014年6月16日付 日経MJ)
価値消費がヒット商品に選ばれましたが、日々利用する消耗品や食品では依然低価格志向が根強いのも事実。だからこそ、イオンの格安スーパーのアコレが消費者の支持を受けているのですが、高島平8丁目店は、ただの格安スーパーではありません。その特徴をまとめると、次のようになるでしょうか。
【アコレ高島平8丁目店の特徴】
[1] 品揃えを絞った小型店→少人数運営が可能
[2] 低コスト出店・低コスト運営→低価格販売が可能
[3] 接客重視→購買力のあるシニア層を集客
1について、コンビニよりも小さな面積で品揃えも絞っているので、品出し作業やレジ決済作業を少人数で行うことができます。よってこの業態は、人手不足問題をある程度解決しているとも言えます。
2について、自動車販売店の撤退場所を安く借りることで、出店コストを抑え、さらに在庫をすべて売り場に出し、ダンボール箱を開けたままで販売することにより、運営コストを引き下げています。だからこそ、PB商品のみならずNB商品の低価格販売も可能になったのです。利益を削ってまで安く販売するのではなく、安く売る構造を作っている点は、まるでウォルマートのようです。低価格で販売することで、競合店との差別・集客に成功でき、さらに利益を出せることが、大きな競争力になります。
3について、低コストの少人数運営ながら、接客には力を入れているようです。これは、店員とのコミュニケーションを楽しみに来店するシニア層を獲得するためです。また、顧客とのコミュニケーションに力を入れることにより、店舗へのロイヤリティを高めることができ、常連客を育成することができます。単にコストを下げるために業務を削るだけではなく、顧客ニーズのある商品(サービスを含む)には、思い切って投資をしているのです。
接客に力を入れるのは、安いだけでは売れないことの表れかもしれません。だからこそ、顧客ニーズに関係のない作業を最大限に削り、顧客ニーズの強い接客に経営資源を投じているのです。顧客ニーズを考慮して、何を削り何に投資するのかが重要なのです。また、顧客ニーズに影響しない作業を削ることは、人手不足解消にも役立っています。
アコレ高島平8丁目店は、安いだけでは満足しない消費者と人手不足、双方の解決策を示しており、お手本のような店舗と言えます。
☆今日のまとめ☆
アコレ高島平8丁目店は、品揃えを絞った小型店で、少人数運営が可能であるので、人手不足をある程度解決している。
また、業務を削る一方で、顧客ニーズの強い接客には力入れており、メリハリの利いた運営を行っている。
安いだけでは満足しない消費者と人手不足の解決策を示す、お手本のような店舗と言える。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
アコレは、東京・埼玉・千葉にしかありません。
いつか関西にも上陸するのでしょうか。
相当脅威になると思いますよ。