ネスレのアンバサダー事業から学べることとは?
ネスレのアンバサダー事業は、新たな需要を獲得したという意味でとてもおもしろいのですが、これを他の事業に活かせることはできないでしょうか。
まず、アンバサダー事業の特殊性から考えると、前回取り上げたように、
ネスレが負担するコストの低さ
があります。その一番は、やはり知名度でしょうか。同じことができる日本の食品メーカーは、ごく一部。一方、店舗ビジネスに広げれば、商圏が限られるものの知名度の高いお店は結構あります。だから、アンバサダー事業は、人気店には十分参考になると思われます。
また、
オフィスでのコーヒー需要という新たなニーズに対応した
という点も、アンバサダー事業の特徴です。例えば、
パン→お酒のつまみになるパン、夕ご飯のメニューになるパン
和菓子→朝ごはんになる和菓子
ハンバーガー→ワインと一緒に食べられるハンバーガー
など。結構考えればあるものです。
個人ではなく集団に売ることで、売上を伸ばす
というのも、アンバサダー事業の特徴でしょうか。昔流行った(?)生協の共同購入もこれと同じモデルです。アンバサダー事業は、個人に販売するものの、それを使う人は複数の会社従業員です。よって、ネスプレッソなど個人への通販とは異なります。オフィスグリコは、まさにこれ。オフィスグリコから派生したビジネスとして、冷凍ラーメンや野菜、総菜など既にオフィスに売るビジネスは生まれています。
ならば、オフィス以外の集団に売ることはできないでしょうか。例えば、大学のサークルや習い事教室など。フィットネスクラブの会員への共同購入なんて行えば、ジムに通う機会が生まれることになり、ジム利用を高める効果も見込みます。
まとめると、次のようになります。
【ネスレのアンバサダー事業から学べること】
- 知名度の高いショップ・飲食店などは、このモデルを適用しやすい
- ◯◯用商品として売ることで、取りこぼしていた新たなニーズを掬い取ることができる
- 個人ではなく集団に売ることで、売上が増えやすくなる
☆今日のまとめ☆
ネスレのアンバサダー事業には、コストの低さという特殊性はあるものの、そのビジネスモデルはとても参考になる。
知名度のある店舗は、商圏は小さいものの、その知名度を活かしてアンバサダー事業のような新ビジネスを始めやすい。
特定の需要向けの商品を開発することで、取りこぼしていたニーズを獲得できる。
個人ではない集団に売ることで、売上は増えやすくなる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
まだ、アンバサダーで作るコーヒーを飲んだことがないのですが、通常のゴールドブレンドよりも美味しいのでしょうか。
気になるところ。