同じ総合でも赤字のGMSに対し、百貨店が復活したのはなぜか?

ISETAN

 

前回、小売業は総合から専門に移行すると述べました。これは、別に私独自の考えというよりも、小売業界のみならず飲食業界でも大勢の意見です。総合居酒屋の和民が低迷し、宮崎地鶏に特化した塚田農場が好調なのは、総合店と専門店の違いです。(塚田農場を運営するエー・ピーカンパニーも、既存店売上はマイナスが続いています。アルコール離れ・飲み会離れの影響でしょうか)

 

だから、GMSが苦戦しているのですが、一方で同じ総合店の百貨店は既存店売上が好調に推移しています。その理由は、そう難しいものではなく、結構単純だと認識しています。GMSと百貨店の業績が大きく異なるのは、

 

ターゲット層が違うから

 

ではないでしょうか。具体的には、

 

GMS=中間層主体

百貨店=富裕層・シニア層主体

 

と認識しています。民主党ではないですが、中間層が弱くなったことが、GMS低迷の要因で、アベノミクスによる資産効果で富裕層やシニア層の懐が豊かになったことが、百貨店好調の要因ではないでしょうか。

 

ならば、中間層が豊かになれば、GMSも復活するかといえばそうとは言えません。過去にGMSが支持を得たのは、割安な価格だったから。今後、中間層が復活しても、割安な価格を求める姿勢は変わらないでしょう。ならば、GMSよりも割安で品揃えが豊富な専門店を選ぶ可能性は高いのではないでしょうか。例えば、衣料品を買うなら、ダイエーではなくユニクロを選ぶということです。

 

一方の富裕層やシニア層は、価格よりも品質を優先します。「セール時にセール品ではなくプロパー品が売れた」という百貨店経営者の声が、品質重視の姿勢を物語っています。このニーズに合致したからこそ、百貨店の支持が上昇しているのです。

 

誰をターゲットにするかは、小売業の業績を大きく左右することになります。

 

☆今日のまとめ☆

GMSの低迷が続くのは、割安さを優先する中間層をターゲットにするからであり、より割安な専門店に顧客を奪われている。

一方、百貨店業績が好調なのは、品質を重視する富裕層・シニア層をターゲットにするからである。

誰をメインターゲットにするかが、業績を大きく左右する。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

個人的に感じることですが、自民党に余裕の無さを感じてなりません。

報道規制と言い、民主批判と言い、かつての太っ腹さが全く無いですね。

政権交代が相当応えたということでしょうか。

それとも、安倍さんは何か焦っているのでしょうか。

自民党の中でドンパチやっていた小泉時代が懐かしい。

 

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