ビックカメラの楽天出店から見える消費者行動の変化。

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この記事が日経新聞に載って、もうだいぶ立つのですが、この記事を見た時は少しびっくりしました。

 

ビックカメラ(宮嶋宏幸社長)は、5月18日、大型ネットショッピングモール「楽天市場」に、パソコン・デジタル関連製品、生活家電などを販売するオンラ インストア「ビックカメラ楽天市場店」(http://www.rakuten.ne.jp/gold/biccamera/)をオープンした。

ヤフーニュースより

 

それは、ビックカメラはネット通販をもうすでに行っているかと思ったから。実際、ビックカメラは独自の通販サイトを持っています。

 

ビックカメラが楽天に出店したのは、「販路の拡大と新規顧客の拡大」のため。自社サイトだけでは、思うほど売上が上がっていなかったのでしょう。

 

ただ、楽天にはコストがかかります。サービス利用料としての固定費、そして手数料。さらに、スーパーポイントを導入することや広告・メルマガを打つことにも費用が発生します。自社サイトならば、これらの経費はかからないので、コストアップにつながります。(代わりに、サーバー代などは不要になりますが。)コストをかけてまで楽天に出店したのは、その「集客力」の高さが魅力的だからであります。

 

楽天の競争力がその集客力にあるとすれば、楽天に出店することはターミナル駅の駅ビルに出店することに似ています。ターミナル駅の駅ビルならば、その立地の良さのために家賃が高い。この家賃が、固定費のサービス利用料。駅ビルに支払う販売手数料は、楽天への手数料になります。

 

ただ、駅ビルと楽天とで違う点は、多店舗とのアクセス。駅ビルに出店したならば、恐らく駅ビルの近くにはもう出店しないことでしょう。カニバリ(共食い)が発生するからです。一方、インターネットでは、数回クリックすれば他のサイトへ行くことができます。その結果、ネット上にお店を複数持てば、カニバリが発生することになるのです。それでも、楽天にもう一つサイトを持ったということは、カニバリ発生のリスクが生じるよりも、楽天出店による売上拡大の方が大きいと判断したことになります。

 

ビックカメラが想定した消費者の家電を買うプロセスは、

楽天市場で欲しい商品名などを検索する→検索に引っかかった販売店同士を比較する→価格や信用度などによって購入店を決める→そのお店のページで購入する

なのでしょう。これでは、楽天にお店がなければ、買ってもらえる可能性が限りなくゼロになります。

 

一方、これまでビックカメラが考えていたプロセスは、

グーグルやヤフーなどで「欲しい商品名 通販」で検索する→検索結果の上位にある数サイトを比較する→価格や信用度によって購入店を決める→そのお店の通販サイトで購入する

なので、お金をかけて楽天へ出店するよりは、自社サイトをできるだけ検索上位に来るように努力すればよかったことになります。

 

これらの差は、入り口が楽天なのかヤフー・グーグルなのかの違い。また、楽天から入った消費者の多くは、楽天内で検索から購入までを済ませ、購入までのプロセスで楽天の外のサイトへは出ないことも示します。ネットで商品を購入する際に楽天内だけですべてを完結する消費者がどれほどいるかはわかりません。しかし、ネットの裾野が広がり、「ネットのことはあまり詳しく知らないが、球団まで持っている楽天ならば安心できるし、意外に安い。」と考える消費者の割合が増えれば、ネット通販を楽天内だけで済ませる人も増えるように思えます。

 

この消費行動の変化こそが、ビックカメラに、コストアップになりカニバリが起こりかねない楽天出店を促せたように思えます。

 

☆今日のまとめ☆

ビックカメラが楽天に出店したのは、商品検索から購入まで楽天内ですべて済ませる消費者が増えたからではないか。

 

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☆今日のこぼれ話☆

ビッグカメラの楽天店と独自サイトでは、送料やポイントなどが異なるだけで、商品価格は基本的には同じのようです。

ポイントは、独自サイトではビックカメラのポイントが付き、楽天店では楽天スーパーポイントが付与されます。

私の場合、近くにビックカメラがないのと、楽天スーパーポイントは楽天内のさまざまなお店(もちろん楽天ブックスも)で使える点で、買うなら楽天店。

今日の内容を見れば、「ネット通販をするなら楽天に出店しなきゃ話にならん」という風にも聞こえますが、楽天への出店にもデメリットがあります。

その一番大きいのは、顧客リストが持てないこと。

楽天内で獲得した顧客に対して、楽天外への誘導をすることは禁止されており、楽天をやめれば顧客リストも失うことになります。

つまり、楽天でお店が繁盛すればするほど、楽天をやめられなくなります。

楽天が値上げをしても。

これは、経営上の大きなリスクです。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る→☓

◎部屋や家の掃除をする→◯(最近、運気が停滞気味なので加えてみました。)

 

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