大丸神戸店の東北応援みちのく味めぐり、牛タンが大人気の理由とは?
(from flickr)
先日、大丸神戸店に行きました。最近、比較的高い商品(特に食品)を販売している現場に足を運ぶことが増えています。それは、消費者が高価格の商品をなぜ買っているのかを知りたいからです。また、どのように購入に至るかにも興味があります。この視察のうって付けの場所は、百貨店。今回は平日午後に行きました。夏休みということもあり、子供連れの親子が多かったように思えます。
その時、たまたま「東北応援みちのく味めぐり」というミニ東北物産展が行われていました。物産展ほどの大きさではなく、10企業も出店していなかったと思います。出店企業ののうち一番人で賑わっていたのが、牛タンを売るお店。(スイマセン、お店の名前を忘れました。)恐らく、その時のデパ地下でベスト3に入るぐらい、人だかりができていました。
その牛タンのお店が流行っている理由を探ったところ、
- エスカレーターの前にあり、人の動線上にお店があった。
- 人だかりができやすい試食方法を採っていた
- お店の人が、人懐っこく熱心に商品の説明をしていた
が浮上しました。
お店は上りのエスカレーター前にありました。だから、買い物が終わった人は、そのエスカレーターに乗るために、お店の前を通ることになります。恐らく、デパ地下で買い物に来たお客さんの8割方は、お店の前を通るのではないでしょうか。絶好の立地と言えます。
試食だけでは、この牛タン屋さんの差別化にはなりません。実は、他のお店でも、試食・試飲をしているお店はたくさんありました。最近試食・試飲をするお店は減ったという認識だったので、試食・試飲を実施するお店をあちらこちらで見たときは少し驚きました。(ちなみに、梅田の百貨店は、競争が激しいため比較的試食・試飲は増えています。)その中でこの牛タンのお店が目を引いたのは、人だかりができていること。試食するには、ショーケースの向こうにいる店員さんに手を伸ばさないといけないため、お客さんは自然にショーケースを囲むことになります。このように人だかりができるのです。この人だかりを見た別のお客さんは、「何があるのだろう?」と不思議に思い、お店を覗くことになり、試食することになります。人だかりは行列に似たものであり、それは売れているお店である証拠。消費者は安心して購入することができるのです。
最後に、商品説明ですが、なんとなくほのぼのとしたおばさんとおじさんが商品説明をされていました。そこには、売り込み臭はほとんどしません。しかも、熱心に説明しています。試食して美味しいと感じ、そして売り込み臭がない熱心な説明を聞くと、思わず買ってしまう人が多いのではないでしょうか。コミュニケーションに成功し、売上に結びついた事例と言えます。
これらをまとめると、この牛タンのお店の勝因は、
- 立地の良さ=アクセスしやすい
- 人だかりができる試食スタイル=安心感
- 店員さんの売り込み臭のない熱心な商品説明=巧みなコミュニケーション
ということができます。
これをスーパーでの加工食品に当てはまると、
- 目につきやすいエンド陳列
- 試食と売れていることがわかるPOP
- 商品のベネフィットを的確に伝えるパッケージやPOP
となるでしょうか。この中で現状不足がちなのは、2と3。特に、売れているという表示は、ほとんどの売場で見ることがありません。相当売れている商品ならば、「全国のお店で◯◯◯個売れました!」など集計した正確な数字を表示すれば、訴求力があるように思えます。スーパーでは行列を作れませんが、売れている商品の販売数量を示せば、それは行列に近い安心感を与えることができるように思えます。
同じことは飲食店にも言えるでしょう。売れている証拠(つまり数字)をメニューやテーブルPOPに示すことができれば、思わず注文したくなるかもしれません。お店の前に設置した看板に売れているメニューとその数字を示せば、新規顧客の集客につながります。
商品やお店のベネフィットを伝えるコミュニケーションも重要ですが、売れているという安心感を伝えることも、それに劣らず重要です。売れるまでは、コミュニケーションがその売れ行きに大きな影響をもたらすことでしょう。
☆今日のまとめ☆
大丸梅田店のミニ東北物産展で一番賑わいがあったのは、牛タンのお店。
その理由は、「立地の良さ」「人だかりのできやすい試食スタイル」「店員さんの売り込み臭のない熱心な商品説明」にあるだろう。
特に、人だかりができることは売れていること伝え、購入への安心感につながる。
これをスーパーでのセルフ販売や飲食店に当てはめると、売れている商品とその売れた数を伝えることが、安心感になる。
☆ 昨日のこぼれ話☆
昨日、友人(いや先輩経営者)のTwitter・フェースブックIDが削除されているのを発見しました。
まさか、何か悪い予感をして、携帯に電話。
留守電だったので、会社にも電話。
出張中とのこと。
すると、携帯に電話が掛かってきました。
ソーシャルメディアの利用を止めたのは、時間が惜しいから。
そういえば、私も理由もなくフェースブックを見ることが多い。
ソーシャルメディアからの撤退は、時間のリストラにはいいかもしれません。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓