灘酒研究会・灘の生一本、ターゲットは誰?
先日、神戸・魚崎のトーホーに行ったところ、灘の生一本という日本酒ブランドを発見しました。ただの日本酒のようですが、このブランドの特殊な点は、灘の日本酒メーカー8社が、ブランド・容量を統一して発売しているところ。ブランドが一緒なので、ボトルの形・デザインも一緒です。一見、同じメーカーの商品に見えて、実は8種類のラインナップの製造者が全く異なっています。
マーケティング好きな人にとっては、とても面白い試み。昔、異業種のメーカーが使ったWill(ウィル)という同一ブランドを思い出しました。ウィキペディアよると、
プロジェクトの特徴は、20代から30代を中心とする「ニュージェネレーション層」をそのターゲットとしたことである。この購買層は「自分らしさ」「こだわり」を意識し、他の世代とは異なった消費行動を示すと想定され、それに合わせた商品開発、およびマーケティング手法の模索から生まれたのがWiLLであった。いわば、マーケティングの合同実験である。
であり、ブランドを統一することでターゲットを明確にしたことが、その特徴と言えます。
となると、灘の生一本プロジェクトのターゲットは誰なのか、気になります。そこでブランドの特徴から考えてみました。ブランドの特徴としては、
- 灘の酒造組合である灘酒研究会が保証した品質
- 日本らしさ・伝統を引き出す墨で書かれたブランド文字
- 甘辛・味わい・香りの一次元グラフで各ラインナップの違いを明確化
- キーワードでわかりやすく伝えた商品特徴
- 720mlというスーパーで販売されるスタンダードな容量
が挙げられるでしょうか。
1・2・5から考えられるターゲットは、日本酒ユーザー。日本酒ユーザーとは、普段から日本酒を飲む消費者。この消費者は、日本酒に日本酒らしさを求めます。よって、墨で書かれた文字やギャランティーされた品質は、大きな魅力に映ります。
3・4から考えられるターゲットは、日本酒初心者。全く日本酒に興味がないわけでないが、これまで日本酒をそれほど飲まなかった人。少しは興味がある消費者です。一次元グラフで違いを明確にすることによって、選びやすくなります。また、ブログなどでタグに慣れたネットユーザーには、文章で説明するよりもキーワードを示す方がわかりやすい。ネットユーザーの中で日本酒を飲む人が少数派であるとすると、キーワードで特徴を率直に伝える方法は、日本酒初心者にはうってつけだと思います。
日本酒ユーザーと日本酒初心者は、全く異なります。灘の生一本プロジェクトは、この全く異なるをターゲットにしているように思えますが、3・4も日本酒ユーザーには目新しく映るとともに、とてもわかりやすいパッケージ表現になります。ということは、このブランドのターゲットは、日本酒ユーザーと見るのが、無難でしょう。
日本酒消費量の減少トレンドが止まらず、何とかしたい。灘酒研究会の一番の関心事は、きっとこれでしょう。相当危機感は強いと、読んでいます。日本酒の需要を喚起し、日本酒の総需要量を増やすために、灘の生一本シリーズが開発されたのだと思います。しかし、出来上がった商品のターゲットは、日本酒ユーザー。これでは、灘以外の日本酒からのスイッチしか期待できないのではないでしょうか。もしくは、せいぜい、日本酒ユーザーの日本酒を飲む頻度を少し高めるにとどまるように思えます。
- 300mlほどの小容量・低単価にして、気軽に購入できる商品にする。
- どんな料理に合うか(ワインでいうマリアージュ)をアピールし、購入動機を与える。
- スタンプラリーのような企画を実施して、複数のラインナップを飲む比べてもらう。
- Twitter・Facebookなどソーシャルメディアと連携し、口コミでブランド・日本酒の旨さが広がる環境を作る。
のような工夫をすれば、ターゲットが日本酒初心者になり、日本酒の総需要が増えるように思えます。
☆今日のまとめ☆
灘酒研究会の灘の生一本プロジェクトのターゲットは、恐らく日本酒ユーザー。
これでは、日本酒の需要を喚起し、総需要を増やすことは難しい。
日本酒初心者をターゲットにし、飲む動機を与え、気軽に購入でき、飲み比べられ、口コミでブランド・日本酒の旨さが広がる工夫が必要だろう。
☆ 昨日のこぼれ話☆
昨日は、姫路でパーティー。
久々にお会いする人もあり、改めていろんな方にお世話になっていると実感しました。
そして、神戸で友人へのプレゼントを購入。
学生時代の友人にも、久しぶりに連絡しました。
たまには、みんなでざっくばらんに飲みたいなぁ。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→☓
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→☓
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓
◎部屋や家の掃除をする→☓