味の素の冷凍ほうれん草が暗示するTPPの嫌な予感。

冷凍ほうれん草(味の素かどうは不明)By pinprick

※今日は少し短めになります。

 

ほとんどのスーパーの冷凍食品売り場で、味の素の冷凍ほうれん草を目にすることができます。そして、冷凍庫にある在庫状態を見ると、かなり売れている様子。満杯の状態から5袋以上売れているお店が多いです。

 

この味の素の冷凍ほうれん草、実は中国産のほうれん草なんです。しかし、パッケージ表面に大きく

「自社管理農場」

と明記していることに安心し、多くの消費者は手にしているのでしょう。ホームページからその特徴を抜粋すると、

・自社管理農場で大切に育てた、ほうれん草です。
・緑が濃く、葉の部分が多い品種を使いました。
・使いたい分だけ使え、保存に便利なジッパータイプです。

となります。つまり、中国産という安心・安全面のデメリットよりも、品質(緑が濃く、葉の部分が多い)や使いやすさ(使いたい分だけ使え、ジッパーで簡単保存)というメリットの方が多いから、売れていることになります。さらに、

使用している原料は、味の素冷凍食品(株)の厳しい基準で管理した原料のみを使用しています。* 使用している原料は、厚生労働省が定める食品衛生法のポジティブリスト制度に適合しています。
* 野菜などは、日本国内で使用が許された農薬等を最小限使用し、収穫後には残留農薬検査を行っています。
* 生鮮品は、収穫できる季節の違いや気候などにより、品質や供給量の変動が大きいため、複数産地からの安定購入を行っています。

と目立つように表示することにより、中国産というデメリットを少しでも小さくしています。

 

この味の素の冷凍ほうれん草が売れているということは、

  1. 日本のメーカーの厳しい基準で管理
  2. 品質は日本産と遜色ない
  3. 使いやすい
という3つの特徴を備えた外国産の生鮮食品ならば、日本でも売れる確率はかなり高いことになります。もちろん、海外で栽培した生鮮食品なので、国産品よりも割安。売れる要素満載と言っても過言ではありません。
TPPが締結されて、生鮮食品の関税障壁がなくなれば、この売れる要素満載の生鮮食品が日本に上陸することになります。国産の生鮮品は、大きな打撃を受けるのではないでしょうか。
日本人は、食料品に関して国産志向が強いと言われていますが、その前提として、
  1. 国産品は、安心・安全だ。
  2. 国産品は、海外品よりも美味しい。
の2点があります。しかし、この2点を海外品が備えるようになれば、国産志向の前提は崩れ、国産品を選ぶ動機が無くなります。さらに、社会保障費などの国民負担増・給料の低迷により可処分所得が減少すれば、より価格の低い海外品の競争力が増すことになります。この結果、国内の農産物の売れ行きが悪くなるのではないでしょうか。
TPP交渉への参加には賛成ですが、あらかじめビジョンを明確にしておかなければ、取り返しのつかないようになるのでは、と危惧しています。また、「外国産の食料品は売れない、国産だから売れる」と高をくくるのではなく、国産品のベネフィットを真剣に考え、消費者に伝えることがさらに重要になるように思えます
☆今日のまとめ☆
味の素の冷凍ほうれん草は、中国産のほうれん草を使っているのにもかかわらず、売れている。
それは、中国産というデメリットを日本メーカーによる厳しい管理を施すことにより、小さくしているからである。
また、品質面・簡便性では、大きなメリットをユーザーに提供している。
同じ事が他の生鮮食品にも起これば、国産だから売れる・海外産は売れないが、今後通用しなくなる恐れがある。
TPPは、この流れを加速させるだろう。
国産だから売れると高をくくるのではなく、国産品のベネフィットを真剣に考え、消費者に伝えることがさらに重要になるだろう。

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☆ 今日のこぼれ話☆

冷凍食品は本当に便利です。

ただ、冷凍食品に使われるカタカナの原材料(保存料など)には、少し不安を感じますね。

この部分が解消されれば、冷凍食品はさらに売れるようになると思います。

夫婦共働きがより一般化すれば、冷凍食品の簡便性は大きな武器です。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→☓

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓

◎部屋や家の掃除をする→◯

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