【508号】スターバックスのジュース市場参入、そのビジネスモデルとは?

スターバックス(Starbucks)By marcopako

 

◎本日のニュース

1)見出し
Latest Starbucks Concoction: Juice

【出典】
http://goo.gl/xi6zv

2)要約
スターバックス社は、高級ジュース製造の中小企業・
エボリューションフレッシュ社を3000万ドルで買収する。
買収後、エボリューションフレッシュブランドのジュースを、
自社のコーヒーショップとスーパーで販売する。
また、来年には、

エボリューションフレッシュブランドのジュースと
健康食品を販売するジュースバーを開店するとしている。

この買収の背景には、コーヒー企業から脱皮し
消費者向け製品企業へと変身しようとするスターバックスの方針がある。
2011年度の消費者向け製品部門は、売上が全体の約9%に過ぎないが、
いずれは半分まで引き上げる予定でいる。

スターバックスが消費者向け製品販売に参入するのは、
コーヒーショップという自社店舗を販売・宣伝の拠点に
活用できるからである。また、多くの加工食品・飲料企業が、
マーケティングコスト・原材料コストの高騰により利益が圧迫されている中、
スターバックスは、自社店舗で試験販売・宣伝を行える強みを持つからである。

ただし、これまで取扱商品の幅を広げた企業の中で、
成功した企業がある一方で、失敗し撤退を余儀なくされた企業もある。
また、スターバックス自体も、過去に店舗数・売上の拡大路線を取り、
ブランド価値を大きく毀損させたことがある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The coffee chain is buying a small, upscale juice maker Evolution Fresh Inc.
for $30 million – a deal that pushes Starbucks well beyond its coffee roots
and shows how serious the company is about transforming itself
into a consumer products player with a large presence outside its own stores.

4)キーとなる英文の和訳
そのコーヒーチェーンは、小規模の高級ジュースメーカー・
エボリューションフレッシュ社を3000万ドルで買収しようとしている。
この買収は、スターバックスが元来のコーヒー単品ビジネスから脱却し、
自社店舗外で広く販売することにより、
消費者向け製品企業へ本格的に転身しようとしていることを物語っている。
5)気になる単語・表現
なし
※後半を直訳すると、「スターバックスをコーヒーの根から押し上げ、
自社店舗外で自社の存在を大きく広げることにより、
自社を消費者向け製品企業へ変身させようとしているかを
どれほど真剣に考えているかを、示す取引である。」

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
スターバックス社(Starbucks Corp., 以下スターバックス)の
エボリューションフレッシュ社(Evolution Fresh Inc.
以下エボリューションフレッシュ)買収は、
単にジュース市場への参入を意味するものではない。
コーヒー事業で確立したビジネスモデルを、
ジュース市場にも適応させようとする意味を持つ。

コーヒー事業で確立したビジネスモデルとは、
スターバックスの店舗を、スターバックスブランド製品の販売・
宣伝の拠点として活用し、店舗外での販売に広げる
というものである。このビジネスモデルで成功した製品は、
インスタントコーヒーのヴィア(Via)。
もともと、スターバックス店舗で販売されていたが、
販売好調だったため、販路をスーパーなどにも広げている。
販売店舗数は約7万店まで拡大。
2011年度は2億5000万ドルを売上げる製品に成長している
この成功事例を、コーヒー製品のみならず、
ジュースにも広げようとしている。

ジュース事業では、まずエボリューションフレッシュブランドの製品を、
スターバックス店舗で販売するとともにスーパーなどの小売店でも
販売すると予定している。現在でも、西海岸のセーフウェイ(Safeway)や
コストコ(Costco)・ホールフーズ(Whole Foods)などの
スーパーで販売しているので、スターバックスブランド製品のスーパー
での販路を活用すれば、販売店を比較的簡単に広げられるだろう。
そして、スターバックスの店舗では、現在販売しているペプシコ社
(PepsiCo Inc.)のネイキッド(Naked)ブランドジュースを
順次エボリューションフレッシュ製品に切り替える。
この結果、エボリューションフレッシュ買収により、
ペプシコ社に流れていた利益を自社で取り込むことができる。

来年には、エボリューションフレッシュブランドのジュースを
販売するジュースバーもオープンする。
これはまさに、スターバックス店舗のジュース版と言える。
ジュースバー開店前から、スターバックス店舗やスーパーで
エボリューションフレッシュブランドの認知を高めておくことができるので、
ジュースバーの成功確率は高まる。自社店舗から店舗外へ
広がったスターバックスブランドと全く逆のパターンである。

そして、このジュースバーでは、
エボリューションフレッシュブランドのジュースとともに、
健康食品も販売する。健康食品に関して記事で
触れられているのはこの部分だけであるが、
スターバックスが健康食品を販売する意図も簡単に読み取れる。
その意図とは、これまでのビジネスモデルで健康食品市場に
参入するということではないだろうか。
つまり、ジュースバーを展開するエボリューションフレッシュ店舗を
健康食品の販売・宣伝拠点として活用し、認知度が高まってから、
ドラッグストアなど店舗外への販売に広げようとしているのではないか。

記事によると、全世界のスターバックス店舗には、
毎週約6000万人が来店する。この6000万人の前に製品を置くことは、
人気テレビ番組に毎週CMを流すことと同じ効果を見込めると、
スターバックスは考えている。スターバックスが、
スターバックスブランドでこれまで採ってきたビジネスモデル、
そしてエボリューションフレッシュで使おうとするビジネスモデルは、
店舗数の多さ・集客力の強さという自社の強みを活用している。

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《今回のヒントのまとめ》

1)スターバックスは、高級ジュースメーカーの
エボリューションフレッシュを買収する予定でいる。

2)この買収は、スターバックスがコーヒー企業から
消費者向け製品企業へ転身する方針でいることを表している。

3)ただし、単にジュース市場に参入するのではなく、
これまでスターバックスブランドで成功したビジネスモデルを
使おうとしている。

4)そのビジネスモデルとは、自社店舗を販売・宣伝拠点として活用し、
認知度が高まってから、自社店舗外の販売に広げようとすることである。

5)そして、来年開店予定のエボリューションフレッシュの
ジュースバーでは、健康食品の販売も予定している。
この健康食品も、同じビジネスモデルを活用して、
ジュースバー以外の店舗での販売を目指しているのだろう。

6)このビジネスモデルは、スターバックスが誇る店舗数の多さ・
集客力の強さを活用している。
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7)おすすめ商品・サービス

◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

ラモン・ビルバオ・ブランコ2009(Ram?n Bilbao Blanco2009)
http://goo.gl/SjHmI
です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
昨日は、2ヶ月ぶりにコストコに行きました。
コストコには、もうクリスマス商品満載でした。
もうそんな季節なんですね。
ただ、お客さんの数は少ないように感じました。
たまたまなのか、それとも景気の表れなのか、
気になるところです。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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