ヴィノスやまざきそごう神戸店で見えたQRコードの限界

先日、神戸・三宮のそごう神戸店にオープンしたばかりのヴィノスやまざきに行って来ました。「ヴィノスやまざき」と言っても、ワインに詳しい人意外ピンと来ないかと思います。ワイン業界では有名なワインショップ。と言いたいところですが、インポーター事業もしているようです。

ホームページを見るとバナーがたくさんあり、フラッシュも多用しているので、一見安売りショップのように見えますが、全く異なります。百貨店に出店するだけあり、高級店。それだけ、価格よりも品質に力を入れています。ワインの売り方を勉強することに関しては、勉強になるお店と言えます。

このお店で特に目を引いたのは、

1）一部の商品に、より詳しい商品説明を書いたメモを設置している点

2）ほとんどの商品のプライスカード（価格が記載されたプレート）に、QRコードが付いている点

です。これまでいろんなワイン販売所（高級なワイン専門店から価格で販売するディスカウント店まで）を見てきましたが、メモやQRコードを使った商品説明は初めてです。またどちらも、私が以前から「あればいいのに」と思っていた販促方法です。

メモは自由に持ち帰ることができます。その商品を買った人はもちろん、買わない人でも。恐らく、興味を持ったけど、予算や重量の関係で購入しなかった人へのリマインドの意味もあるのでしょう。そして、買った人が持ち帰ることにより、商品説明を読みながらワインを楽しめることができます。

QRコードに関しては、モトックスが似たようなサービスを提供しています。ただし、モトックスの場合は、ワインのラベルにコードを印字し、専用のアプリでそのコードをスキャンする必要があります。スキャンすれば、その銘柄の商品説明や評価が見れる仕組みになっているようです。（まだ使ったことがありません。）恐らく、ヴィノスやまざきのQRコードも、ネット上の銘柄ページに飛んで、銘柄の詳しい説明を読むことができるのでしょう。

このように見ると、メモもQRコードも

より詳しい商品説明を読める

という機能を提供していることがわかります。ならば、どちらかを一方でいいのではないでしょうか。特に、QRコードは、紙を印刷し補充する必要がない上に、常に最新情報にアップデートできるという点で、メモよりも優れています。QRコードだけあれば、問題ないかと思うのですが、実際にはそうではありません。

その理由は、

QRコードを利用する人がまだまだ少ない

からではないでしょうか。ヴィノスやまざきそごう神戸店にいたにはほんの10分程度ですが、その間にQRコードを使って商品説明を読んでいた人はいなかったと思います。それだけ、QRコードを利用することが一般化していない証拠でしょう。その根本の要因に、

スキャンするのに携帯をセットするのが面倒

QRコードを読み取るのに時間がかかる

通信費がもったいない

というのがあるのかもしれません。一方、メモの場合は、その場で読むだけ。欲しければ、持ち帰ればいいし、持ち帰った後に気になれば、取り出すだけです。

メモを設置していた商品は一部であるのに対し、QRコードを設置していた商品はほとんどすべてであることを考えると、特に売りたい商品にだけメモを設置したこともわかります。つまり、

特に売りたい商品→コストを掛けてでもメモを設置する