女性のエビ人気を取り込めないマクドナルド
By jimbrickett
※ロッテリア・マクドナルドのハンバーガーとは関係ありません。
日経新聞の消費欄に、エビと女性に関する記事が掲載されていました。
外食・食品業界でエビを使った新メニューや新商品が最近目立つ。エビは 低カロリーでヘルシーとの印象があり、若い女性らに特に人気だ。中小型の代表品種で値ごろなバナメイが出回って原材料に利用しやすくなり、外食企業なども レシピを一工夫している。広がった選択肢から自分好みの味を探し、ちょっとしたぜいたく感を手軽に味わう人が増えている。(2012月12月5日日経新聞朝刊より)
エビを使ったメニューが増えて、女性に人気を博しているようです。以下、記事で取り上げられた数字です。
【エビメニューの人気ぶり】
○ロッテリアの新商品・贅沢海老バーガー→発売数日で全社売上の1割を超えるヒットに。
○ ロッテリアの定番・エビバーガー→年間売上首位の人気メニュー。6割が女性。
○ ミニストップのエビマヨ&チップス→リニューアル後、販売量が2割増。若い女性が酒のつまみに買う。
エビマヨ&チップスが、若い女性の酒のつまみとして購入されているということは、コンビニで酒類を購入する女性がそれだけいるという証拠。コンビニのお酒売り場で見るのは、ほとんど男性なので、これには驚きました。
ファストフード・コンビニがエビメニューを拡充するのは、女性獲得のためでもありますが、他にも理由があります。それは、バナメイエビの値ごろ感です。エビの卸値に関する数字をまとめると、次のようになります。
【バナメイエビの卸値】
バナメイエビ→1.8キロあたり1200円程度と、前年並み。ブラックタイガーの価格より3割安い。
原価が低く、女性に人気の食材を、使わない手はありません。ミニストップのエビマヨ&チップスのように、エビメニューの販売が他の商品の購入につながることも期待できます。
女性のエビ人気は、エビの「低カロリー」「ヘルシー」というイメージのため。どの程度低カロリーでヘルシーなのか、記事には取り上げられていませんが、肉や魚と比べて、なんとなくそんなイメージはします。
私が不思議に思ったのは、
エビメニューとしてマクドナルドのえびフィレオが取り上げられていなかった
ということ。ロッテリアが取り上げられたなら、ハンバーガー業界一位のマクドナルドに言及があっても不思議ではありません。なかったことを考えると、えびフィレオの売上が芳しくないのでしょうか。そう言えば、最近えびフィレオのプロモーションを、ほとんど耳にしません。
売れる可能性の高いえびフィレオではなく、粗利益の高いビックマックやフライドポテトの販売に力を入れていることが、マクドナルド不振の要因かもしれません。
☆ 今日のまとめ☆
女性に人気のエビメニュー。
ファストフード店やコンビニがエビメニューに力を入れるのは、原価が低いという理由もある。
女性に人気のエビを使ったえびフィレオではなく、粗利益の高いビックマックやフライドポテトに力を入れていることが、マクドナルド不振の要因かもしれない。
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☆ 今日のこぼれ話☆
贅沢海老バーがー、本当に美味しそうですね。
「贅沢」という言葉、「海老」という漢字表記が、食欲をそそります。
☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆
「お値打ちな料理とは価格が安いのではなく、その品質が「この値段なら、この程度の価値が必要だ」という水準を上回っている状態のことだ。」
(『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)
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