スーパーの和スイーツが教えてくれるマクドナルド復活の難しさ
スーパーやコンビニに行けば、必ず覗く売場があります。それは和スイーツ。高齢者やヘルシー志向の人が増えることを考えると、和スイーツはこれからだいぶ伸びるのでは、と考えるからです。前に取り上げましたおはぎ販売店の行列も、その予測をさらに強くさせています。
その和スイーツですが、もちろんすべての商品が満遍なく売れているわけではありません。実際に販売数量を見たわけではないですが、売場の在庫から大体想像がつきます。(スーパー関係者の方、実際の数字教えてください!)売れ行きの違いを大きくわけると、次のようになります。
【スーパーにおける和スイーツ売れ行きの違い】
[売れている]1個の商品
[売れ行きが鈍い]複数個が入った商品
1個入りの商品は、だいたい何品か売り切れています。(夕方~20時調べ)一方、2~5個入りの商品は、大抵残っており、売り切れているものはほとんどありません。なぜ、このようなことが起こるのか。恐らく、
そんなに量はいらないという人が多い
のではないか、と思うのです。和スイーツのメイン購入層が40代以降の女性というのも、大きな要因でしょう。和スイーツという特性、つまり嗜好品であることから、ちょっとだけ食べたいというニーズが強いのかもしれません。だから、1個あたりの価格が低くても、量の多い商品ではなく、量の少ない商品を選ぶのだと思います。さらに、人口の高齢化が胃袋の縮小につながり、量の少ない商品への需要が高まっているとも読み取ることができます。付け加えて、支払金額を安く済ませたいというのも、まだまだ強い。この節約志向も、単価の低い少量商品の購入を促しています。
このようなニーズがある一方で、マクドナルドが現在行なっているのは、「1個買うと位1個無料!」キャンペーン(長いので、「いちいちキャンペーン」と呼ばせて頂きます。)「そんなに量はいらない」という人にとっては、あまり嬉しくない企画です。それなら、半額にしてくれ、という人がほとんどではないでしょうか。少なくとも、30代以降に消費者にとっては、集客効果の薄い企画のように感じます。ただ、マクドナルドのメインターゲットが、食欲旺盛な10代・20代と考えれば、あながちウケる企画なのかもしれません。
しかし、いちいちキャンペーンは、定価で購入した人に限り有効で、最低でも190円(フライドポテトS)支払う必要があります。190円でフライドポテトSを二つもらうならば、100円マックを二つ買った方が、別のメニュ-を食べられるので、よりバリューが高いのではないでしょうか。2人以上の団体なら、それなりにバリューのある企画ですが、マクドナルドが目指した再来店効果は発揮されません。つまり、1人の来店客にとっては集客効果は見込めず、2人以上の団体では再来店効果は見込めないので、大した効果がなく終わる可能性があります。
実際、JR神戸駅前のマクドナルドをディナータイムに覗くと、集客があまり芳しくない模様。3月も厳しい結果が待ち受けていそうです。
☆ 今日のまとめ☆
スーパーの和スイーツにおいて売れている商品の共通点は、1個入りであること。
それだけ、量を求めない消費者が多い証拠ではないだろうか。
一方、マクドナルドは、1個の価格で2個もらえる量に頼ってキャンペーンを実施している。
少量ニーズの消費者どころか、食欲旺盛な10代・20代にとっても割安感がないので、集客効果は薄いのではないだろうか。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
マクドナルドの2月実績が公表されました。
こちらについての分析は、また今度したいと思います。
2月はなんとか踏ん張ると思ったんですが。
☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆
「ものはいくら作っても作りっぱなしではだめで、それをどう売るかというのがセットにならないと絶対普及しないのです。」
(『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』より)
※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。
※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。