日本マクドナルドの売上が深刻なほど悪い理由(クレンリネス編)

オランダのマクドナルド

 By Gerard Stolk (vers la Septuagésime)

マクドナルドの売上不振を検証するシリーズも、今回で最後です。これまで、商品サービスと来まして、最後はクレンリネス。そう、レストランの基本である、Q(クオリティ・品質)S(サービス)C(クレンリネス・清潔さ)ごとに、検証してきました。申し訳ないですが、今回も私の推測によるものです。

 

以前、このような垂れ幕を発見しました。

 

めくれているマクドナルドの垂れ幕

 

神戸・元町のマクドナルドです。この前の通りをよく通るのですが、このようなめくれた垂れ幕を見たのは初めて。10月下旬のことです。この頃のマクドナルドというと、既存店売上高は、5月から10月まで6ヶ月連続で前年を割れています。さらに、10月は、5月に次ぐ悪さなのです。垂れ幕がめくれているのは、クレンリネスというよりも規律の緩みによるものでしょう。やるべきことが守られていないから、このような不格好な垂れ幕が堂々と掲げてあるのです。この垂れ幕から、店内の様子はなんとなく想像が付きます。

 

そこで、「もしかしたらマクドナルドの店内は汚いのではないか?」という推測のもと、「マクドナルド 汚い」でグーグル検索しました。すると、1ページ目に出てきたのがこちら。2012年1月に投稿されたものです。本当かどうかはわかりませんが、低価格ファストフード店なので起こっても不思議ではありません。

 

では、なぜこのようなクレンリネスの低下を招いたのか。それは、

 

2004年12月期から続いた好業績に胡座をかいていたから

 

ではないかと、思います。つまり、原田泳幸さんがトップとしてやってきてから、本部による商品開発・販促企画が当たりに当たった一方で、店舗では、本部の指示通りに売るべきものを売っておけばいい、という思考に陥ったのではないでしょうか。その結果、レストランの基本中の基本である、クレンリネスが疎かになっても不思議ではありません。何せ、少々清潔さが低下しても、収益が上がるのですから。その積もり積もった垢が、2012年に溢れだし、利用客が気づきだしたのではないか、と推測します。

 

そして、起死回生を目指して始めたのが、驚きの販売手法・60秒キャンペーン。しかし、面白い企画ながら、クレンリネスは低下したまま。そのため、サービス低下を指摘する声が起こるのです。

 

サービスの質が低下? マクドナルド60サービスが物議を醸す

 

実際にこの企画を見たわけではありませんが、提供商品の画像を見る限り、キッチンは相当荒れていたのは間違いないでしょう。カウンターから垣間見えるキッチンの汚さに、辟易した顧客も多いのではないでしょうか。

 

このように考えてみると、マクドナルドの売上不振は、QSCの低下によるもの。皮肉にも、着任したばかりの原田さんが行ったのは、QSCの向上。再度、「バック・ツー・ザ・ベシックス」が行われるのではないかと、読んでいます。

 

☆     今日のまとめ☆

マクドナルド売上不振の要因として、クレンリネスの低下が考えられる。

低下したのは、本部による商品開発・販促企画が当たりに当たったので、店舗が指示通りに売ることばかり考え、基本が疎かになったからではないか。

再度「バック・ツー・ザ・ベシックス」が行われ、V字回復を目指すのではないか。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆     今日のこぼれ話☆

マクドナルドを最近利用しない理由として、トランス脂肪酸を回避したいというのもあります。

本当かどうかはわかりませんが、マックフライポテトはショートニングを使って調理するので、トランス脂肪酸が含まれている恐れがあります。

これを知ってから、フライドポテト自体食べなくなりました。

 

☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆

「問題点を正しく把握するには、何が問題だ、と考えるのではなく、なぜ自分はそれを問題と感じるのか、と考える週間を付けることだ。」

『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)

※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

 

日本マクドナルドの売上が深刻なほど悪い理由(クレンリネス編)” に対して8件のコメントがあります。

  1. susugi より:

    マック急降下の件、概ね私も同意見です。
    ちなみに私は一企業の店員、販売員です。
    私があまりマックを利用しない理由は
    ・マック側が売りたい商品は価格が高すぎ(CP悪すぎ) ・不健康な食事の典型 ・店舗が不潔 ・学生がうるさい 
    ・レジ待ち時間が長い ・食品持ち込みするヤツが不愉快 ・回転が悪い、席が見つけられない場合は最悪
    などと原田さんの見解とは全く違います。
    マックの行く末自体はどうでもいい事なのですが、現場を見ればすぐに解かることですよネ。

    1. ryotarotakao より:

      susugiさん

      コメントありがとうございます。
      他店舗商品の持込みは、本当に不愉快ですよね。
      もしかしたら、この不公平さが顧客離れの一大要因なのかもしれません。
      人は差別されることを嫌いますからね。

      今後のマックにも注目したいと思います。
      これからもよろしくお願いいたします。

  2. ebichan より:

    はじめまして。

    個人営業のためマックでPCを開いてよく仕事をさせてもらってるため、あちらこちらのマックにお世話になっています。

    仰るとおり店舗によっていはトイレがひどく汚い店を見かけます。
    あとトイレが汚い店舗は店内も汚い・・

    色々な対策を打っているようですがネットにはマックの業績不振がニュースを度々見かけます。
    その度に、どんなに新しい商品出してもあれだけトイレが汚くちゃ業績の回復は無理だろうなぁ・・とか思ってました。

    そこで、ネットで検索してみるとやはり同じことを考えてる方がいらっしゃったので思わず読んでしまいました。

    マック利用者として大変重宝させてもらってるのですが、この業績不振の原因が僕自身の仕事のあり方を見直す反面教師にもなってくれてます。ありがたいことですが、複雑でもありますね。

    興味深い記事でした。ありがとうございました。

    1. ryotarotakao より:

      ebichanさん

      コメントありがとうございます。
      清潔さというと、QSCのC(クレンリネス)ですね。
      トイレの清潔さを見れば、店の清潔さがわかるとも言われますね。
      それほど、トイレは重点的に管理するべき場所なのです。
      そう考えれば、トイレの汚さはマクドナルドの管理体制のまずさを物語っているとも言えますね。

      今後とも宜しくお願いいたします。

  3. ミミ より:

    10年以上前にマックでバイトしていましたが
    先輩からクレンリネスと言葉は教わりましたが実践は?でした。
    ラウンドも5分位でやるので客席の散らかりをざっと直してゴミ袋交換とトイレのペーパー補充位しかできません。
    レジが混むとレジ優先になるので客席は後回しで気づくとカオスな状態になってます。
    社員はレジでいかにお客様を捌くかしか考えてないので店舗で召し上がることまでは頭が回らない様子です。
    いつも混んでて席は前のお客様が汚したまま、テーブル、イスはグチャグチャ、ゴミ箱は満タン、、
    汚いイメージが定着しますよね

    1. ryotarotakao より:

      コメントありがとうございました。
      私は20年ほど前にファーストキッチンでバイトをしていました。
      集客力のある立地だったためか、かなり忙しく、私がラウンドした時もかなり荒れていたことを覚えています。
      ただ、当時はそれでも今のマックよりはマシでしたね。
      常識のあるお客さんが多かったためでしょうか。
      それだけ顧客の低年齢化が進んだのかもしれません。
      原田さんではないですが、マックが復活のために一番にするべきことは、クレンリネスだと思います。

      また、気軽にコメントお願いします。

  4. 加納 より:

    QSCなる言葉から入った割に浅くてびっくりしました。3記事読んで激おこです☺︎
    マックの不振からはもっとダイナミックな生活の変化を読み取ってほしい。
    お詫びに脱ぎなさい☺︎

    1. ryotarotakao より:

      加納様

      コメントありがとうございます。
      ご期待に沿わない内容で失礼いたしました。
      これからもっと精進したいと思います。
      その前に、体調を良くすることが一番ですが。(笑)

      これからもよろしくお願いいたします。

ryotarotakao へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です