六甲アイランド食品工場マーケット、地場工場の多くが出展しなかった理由とは?

六甲アイランド食品工場マーケット

六甲アイランド食品工場マーケット

 

昨日、神戸ファッションプラザで六甲アイランド食品工場マーケットが行われました。このイベントは、六甲アイランドや神戸・アシア近隣の食品工場の産品を、地元である六甲アイランドで売ろうという企画。六甲アイランドは、食品工場がとても多い割には、工場と商業施設が隔離されたような感じで、そのギャップに以前から違和感がありました。それを解消したイベントというのもあり、注目していました。

 

ただ、イベント開催前から別の違和感があったのは事実です。それは、出店企業があまりに少ないから。ちなみに、出展企業は以下の通り。

 

【六甲アイランド食品工場マーケットの出展企業】

灘泉(日本酒)

カネテツデリカフーズ(かまぼこ)

神戸紅茶(紅茶)

神戸ベイシェラトン・ホテル&タワーズ(野菜)

コープこうべ(パン)

チョコレートタルトファクトリー(ケーキ)

トーラク(お菓子)

パントリー六甲アイランド店(ケーキ)

UCC上島珈琲(コーヒー)

六甲みそ(味噌)

 

出展企業数は多いように感じますが、六甲アイランドにはまだまだ食品工場があります。私の知っているところだけでも、

 

ドンク(パン)

モロゾフ(チョコレート・ケーキ)

マルカン酢(酢)

小倉屋柳本(豆惣菜)

トーホー(コーヒー)

フジパン(パン)

伊藤ハム(ハム)

本高砂屋(和菓子)

 

があります。だいたい半分ほどの工場しか出展していないことになります。正確に言えば、出展企業で六甲アイランドに工場があるのは、カネテツデリカフーズ・コープこうべ・トーラク・UCCの4企業のみ。(チョコレートタルトファクトリーは六甲アイランドにあるケーキ店であり、厳密には食品工場ではありません。)その他6企業は、神戸・芦屋にある工場なので、正確に言えば「六甲アアイランド食品工場マーケット」に反することになります。つまり、六甲アイランドの工場は、このイベントに消極的だったのでは、という疑念が浮かぶのです。

 

では、なぜ六甲アイランドの食品工場は、積極的にこのイベントに出展しなかったのか?恐らく、

 

ペイしないと読んだから

 

ではないでしょうか。出展のコマ代にいくらかかるのか知りません。1日だけですが、恐らく1万~2万円は掛かっているのではないでしょうか。(以前、場所は違いますが、別の食イベントのコマ代は3日で8~10万円だったため。)それに人件費が掛かります。それだけ掛けた費用と見合う効果が見込めないと判断したからこそ、六甲アイランドの食品工場の多くは、出展を控えたのだと推測します。それほど大きな集客は見込めないと、出展を見合わせた企業は考えたのでしょう。

 

また、今回出展したのは10企業ですが、イベント会場の大きさから考えて、倍の20企業が出展することも可能だったかと思います。このようなイベントは、出展企業が多ければ多いほど、そのイベント自体の集客力は増しますので、主催者(六甲アイランド地域振興会)は出展企業集めに奔走したことでしょう。その結果が4企業であり、それではイベントとして開催できないので、急遽六甲アイランド外の食品企業から募集したのだと思います。

 

ただ、出展を見合わせた企業の予測に反して、すごい人混みでした。移動するのが大変なぐらい。さらに、多くの出展ブースでは、売れ切れが続出。予想に反して、かなり繁盛していたのです。しかし、この状態はそれほど喜ばしいことではありません。それは、

 

イベント後の売上につながるかについてかなり疑問

 

だからです。

 

実際、私はカネテツデリカフーズさんのブースで揚げたてのかまぼこを購入しました。その行為において発生したのは、注文と商品・代金のやり取りのみ。そこで、何かコミュニケーションが発生したわけではありません。工場見学に力を入れているようですが、その案内もありませんでした。(チラシはありましたが)さらに、多くの人が知りたいであろう、「六甲アイランド工場ではどんな商品が作られているのか」についての説明やチラシは、全く無し。これでは、カネテツデリカフーズさんの工場に、親しみが沸くことはありません。例えば、公式サイトのトップページに掲載されてある「白身魚と豆乳の緑黄色野菜寄せ」の説明があれば、スーパーで見かけた時に購入する確率は高まるのではないでしょうか。試食・即売会をしても、面白いかと思います。販売店の説明があれば、さらに売上への貢献は強まることでしょう。

 

イベントの売上には満足したかもしれませんが、コミュニケーションという意味では、大きな販促効果があったのかは疑問。出展を見合わせた企業は、このような事態を見越していたのかもしれません。しかし、やりようによっては、イベント後の売上につながる、食品メーカーと消費者のコミュニケーションの場に昇華させることは可能のように思えます。

 

☆    今日のまとめ☆

六甲アイランド食品工場マーケットで不思議に思ったのは、六甲アイランドにある食品工場の参加率が極端に低かったこと。

費用対効果が低いと読んだから、出展を見合わせたのかもしれない。

ただ、集客には成功していたので、やり方によってはイベント後の売上につなげることも可能だったのではないか。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

それほど期待せずに六甲アイランド食品工場マーケットに行ったのですが、予想に反してかなりの人でした。

なんでそんなに集客できたのか?

これは次回に書こうかと思います。

 

☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆

「消費には二種類あって、それは右脳消費と左脳消費。左脳消費というのは、「必要だから」「選択肢の中で一番いい」とか「妥当な条件だから」というふうな消費。会社間の消費や公共投資など。右脳消費というのは、「かっこいいから」とか「おもしろいから」とか「あの人が使っているから」とか「これでないからだめだから」という消費。個人消費はほとんどこの右脳消費です。」

『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』より)

※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。

※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

 

 

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