納豆が価格競争から抜け出せない理由
よく納豆を食べるため、スーパーの納豆売場は必ず通ります。そこで感じることは、商品の同質化と低価格化。納豆は、いつの間にか98円の商品に成り下がってしまいました。そして、コンビニに行けば、PBの納豆が常時78円で手に入ります。しかも、ワンパック45gで。納豆市場では、NB商品とPB商品の価格競争が他の市場以上に激しいのです。
そこで、納豆が価格競争から抜け出せない理由を考えてみました。
【納豆が価格競争から抜け出せない理由】
[1] 差別化が消費者の得につながっていないから
[2] ほぼすべての商品が同じパッケージを採用しているから
1について、納豆の差別化には、豆・たれなどがあります。しかし、その差別化が大きな購入動機に繋がっていません。例えば豆では、「国産大豆」と銘打った納豆が、大抵のスーパーでは販売されています。ただ、「国産」だから何がいいのかが、わかりません。少なくとも10~20円余分に払うのですが、その分のメリットがよくわからないのです。通常100円前後の納豆にとって、10~20円は10~20%の価格差になり、割合は無視できるレベルではありません。「国産」だけでは、その無視できない割合の価格差を納得できるほどの力がないのです。だから、売れ残って処分されることが多々あるのです。
たれの差別化は、メーカーには大きな差異化と感じるかもしれませんが、消費者にとってはさほど大きくありません。というのも、自宅にある調味料で、いくらでも味付けできるからです。だから、たれの違いだけで余分にお金を払う気にはなれないのだと思います。
2について、一度納豆売場に行けばわかりますが、ほとんどの商品が平べったい発泡スチロール箱を重ねた商品で、少しだけカップ状の商品があるのみ。パッケージだけを見ると、かなり同質化が進んだカテゴリーと言えるのではないでしょうか。パッケージの違いにお金を払うとは限りませんが、ここまでパッケージが同質化すれば、価格競争に陥りやすくなります。新型パッケージを採用するには、新たに設備投資が必要になるとは、メーカーの言い分であり、消費者には関係ないこと。気持ちはわかりますが、そういう大人の事情を考える消費者は、ほとんどいません。
「だから、どうすんの?」と言われば、それに対する解答はまだありません。(スイマセン)ただ、このまま放置していれば、価格競争は続き、商売として面白みがありません。少なくとも、商品の差別化がどう得につながるのかを消費者に訴える必要はあるかと思います。例えば、売場にPOP付けるなど。
また、納豆売場を離れるということも必要かと思います。というのも、納豆はそれだけで食べるだけでなく、料理の素材にもなるからです。例えば、お好み焼きに納豆を入れれば、納豆焼きができます。さらに、カルボナーラに入れて食べるのも意外に美味しいもの。ならば、お好み焼き売場やパスタ売場向けの商品を開発すればいいのです。もっと言えば、お好み焼き商材やパスタ商材を作るメーカーに、原材料供給する手もあります。
納豆は、現状でそれなりに需要があり、健康への意識向上から需要拡大も見込めます。そう、成長市場になることができるのです。なのに、100円商材であることは、本当に勿体無いことです。
☆今日のまとめ☆
納豆が100円商材に成り下がり、価格競争からなかなか抜け出せない。
その理由は、差別化が消費者ベネフィットに直結していないからであり、また、パッケージの同質化が進みすぎているからである。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
個人的にはおかめ納豆を支持していたのですが、それも最近揺らぎつつあります。
というのも、セブン-イレブンの納豆が意外にうまいから。
78円で24時間買えるというのは、消費者としてはかなり嬉しいです。
業界の人から見れば、それだけ競争が激しいということになります。
☆ 最近買った商品☆
無印の衣料品は、かなり安くなりましたねぇ。
しかも、8日までは無印週間で10%引き。
まだ着ていないですが、お手頃な値段なので、いろいろ使い勝手が良さそうです。