阪急ベーカリーの100円パン

 

昨日、嵐の中阪急うめだ本店に行きました。目的は、フランス祭。この催事でも、様々な発見があったのですが、それ以上の驚きが他にありました。それは、タイトルにも付けた100円パン「阪急ベーカリー」です。

 

阪急が100円パンの販売を始めたのは、今回実際に目撃するまで知りませんでした。ちなみに、グーグルで「阪急 うめだ本店 100円パン」を検索しても、マスコミ関連での言及は皆無。唯一企業による言及は、阪急百貨店のインフォメーションサイトのみ。恐らく、プレスリリースも大きく出していなかったのでしょう。100円パンの静かな船出には、何かしら理由がありそうです。

 

その理由は、特に難しいことではありません。うめだ本店のパン屋への悪影響を回避するためです。つまり、阪急が100円パンを大きく売りだすと、うめだ本店のデパ地下で価格競争が起きかねません。最悪の場合、既存テナントの撤退も考えられます。やっとこさ改装オープンしたばかりで、これから投資の回収をする時に、パンという集客商品を扱いお店が少なくなれば、回収が難しくなります。だからこそ、プレスリリースで大きく発表することもせず、静かに100円パンの販売を始めたのだと思います。

 

では、なぜそこまでリスクのある100円パンを扱う必要があったのか。次の記事が、そのヒントになります。

 

7年にわたる改装工事を終えた「阪急百貨店うめだ本店」すら今後は楽観できない。昨年秋に全面開業となり、月ベースの売上高は前年同月比で2桁増で推移しているものの、約600億円の巨額投資を回収するためにはまだまだ物足りない。(2013年3月21日付 日経新聞朝刊)

 

阪急うめだ本店は、改装オープンより快進撃を続けています。親会社のエイチ・ツー・オーリテイリングのIRの資料によると、改装オープン後の11月より前年同月比40%以上の売上増が続いています。さらに、アベノミクスの好影響のためか、2月は53.0%増、3月は61.8%増とその増加幅はさらに大きくしています。しかし、増収幅は余算値には届いていないようです。つまり、思ったほど売上は伸びていないのです。なんせ、600億円も投資したのだから、40%程度の増収では足りないということです。

 

ただ、実際にうめだ本店に足を踏み入れてると、その人混みの凄さは梅田で一番であることが実感できます。多くの人は来店しているのです。しかし、思ったほど売上は伸びていない。つまり、来たけど買わずに帰る人が意外に多いということです。そこで、100円パンという低価格商材を投入することで、来た人に何か買ってもらうことで、増収幅の引き上げを狙っているのです。

 

デパ地下を歩くと、パン屋さんに比較的多くの人が集まっていることがわかります。それだけ、パンを買う人が多いということです。だからこそ、この購入確率・購入頻度とも高いパンという商材に目を付けたのだと思います。さらに、100円パンは、地下二階の生鮮品フロアから地下一階に上がるエスカレーター前という、目立つ場所に立地しています。この立地から、阪急うめだ本店の集客を売上につなげたい執念が見て取れます。

 

☆今日のまとめ☆

阪急うめだ本店が100円パンを導入したのは、大きな集客を売上につなげる目的のため。

投資額ほど収益が伸びていないという証拠だろう。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

百貨店、特に高級感で売る阪急が100円パンを扱うことは、大きな驚き。

阪神ならまだわかるのですが、阪急が100円パンなんて。

問題は、これでパン全体の売上が伸びるかどうか。

カニバリが判明すれば、100円パンはすぐに閉鎖されることでしょうね。

 

☆    最近買った商品☆

阪急のフランス祭2013で買ったのが、こちらのパン。

 

オ・ルヴァン・ダンタンのバケット約590円

 

賞を受賞したパリのパン屋さん「オ・ルヴァン・ダンタン」が、この催事のために特別販売していました。

なんと、パン職人のパスカル・バリヨンさん自身が、その場で焼いているので、リアル感は凄まじい。

これを逃せば日本では買えない、というのもありすごい行列でした。(人気のブリオッシュは整理券配布)

バケットを食べたのですが、それほど固く無く日本人向けかもしれません。

もちろん美味しかったですよ、値段が値段なので。(笑)