ネスレのゴールドブレンド・バリスタが選んだ、新しい試飲場所とは?

 

 ネスレのカフェ

Aftab Uzzaman

先日、思わぬところで、ネスレのゴールドブレンド・バリスタを目にしました。ゴールドブレンド・バリスタとは、インスタントコーヒーであるゴールドブレンドをまるでカフェで飲むようなコーヒーにできる、家庭用の機械。日経新聞の紙面広告でも、通販商品として掲載されていたことがあります。ネスレが今一番売りたい商品の一つですね。

 

この商品、機械だけあって、少々値が張るのが欠点でしょうか。ネスレ通販では、送料無料の7980円。インスタントコーヒーが500円ほど、カフェのコーヒーも500円以下で買えるなか、自宅で美味しいコーヒーが味わえるにしても、一回で8000円近くも支出するのは、気が引けるものです。自分の口に合わなかったら、8000円が水の泡になるからです。

 

だからこそ、ネスレは試飲という販促手法に力を入れているのですが、試飲が行われていたのが、意外な場所でした。その場所とは、

 

百貨店の婦人服フロアーの休憩所

 

だったのです。そこで、ネスレがゴールドブレンド・バリスタの試飲場所に、百貨店の婦人服フロアーの休憩所を選んだ理由を、考えてみました。

 

【ネスレがバリスタの試飲に百貨店の婦人服フロアーの休憩所を選んだ理由】

[1]      少々財布の紐が緩む場所だから

[2]      価格よりも品質を重視する女性が多い場所だから

[3]      ゆっくり試飲してもらえ価値を伝えやすい場所だから

 

1について、百貨店の顧客は、比較的お金を持っている層。富裕層とは言えないまでも、生活に余裕のある消費者なのは間違いありません。しかも、百貨店に来店する時は、普段以上に買い物意欲が高いはず。この財布の紐が緩む機会に売り込めば、単価の高い商品も売れる確率が高くなります。

 

2について、婦人服のフロアーを選んだのは、男性よりも女性の方が品質を重視するからでしょう。男性は、ついついスペックや価格など数字に関するものを気にしがち。一方、女性は、見た目や使いやすさなど自分の感性・感覚に合致するかを問う傾向が強いのではないでしょうか。ならば、単価は高いが品質の高い商品は、女性に売り込んだ方がいいはずです。

3は、休憩所を選んだ理由です。買いまわりをしている時は、試飲を勧めても、立ち止まってもらうことさえ難しいもの。なんせ、相手は試飲ではなく買い物が目的で来店しているから。一方、ゆっくり休憩している時は、大抵手持ち無沙汰なので、試飲してもらえる可能性は高まります。だからこそ、ネスレは、エスカレーターの横にあるソファーの前で、試飲を行ったのだと思います。

 

逆に言えば、ネスレが新しい試飲場所を選んだのは、従来の試飲場所で効果がなかったからに他なりません。これについては、次回述べようと思います。

 

☆今日のまとめ☆

ネスレがゴールドブレンド・バリスタの試飲場所に選んだのは、百貨店の婦人服フロアーの休憩所。

その理由は、百貨店は財布の紐が緩みやすい場所だからであり、女性は男性よりも品質重視だからであり、ゆっくり過ごす休憩所は価値を確かめやすいからではないか。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆    今日のこぼれ話☆

ゴールドブレンド・バリスタは、広告やCMで何度か目にしたことありますが、まだ飲んだことがありません。

今回、大丸梅田店で試飲をしているところを見つけたのですが、勇気がありませんでした。

なんせ、婦人服売場だったもので。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です