ホームセンター・カインズのチラシからわかった、ホームセンターが狙う市場とは?
毎週水曜日の朝刊に、カインズホームのチラシが入ります。現在毎週折込まれるチラシは、ユニクロ・ヤマダ電機と今回のカインズぐらい。ダイエー系スーパーのグルメシティも比較的毎週入れるのですが、連休や特定の特売日が重なる時は、統合することがあります。恐らく、経費節減のため。その点、毎週折り込む企業は、チラシによる集客が大きいということになるでしょうか。
今回は、カインズのチラシに思わぬ商品が掲載されていたことを取り上げようと思います。その商品とは、
ダイソンのサイクロンクリーナー
です。家電製品がホームセンターのチラシに掲載されることは、それほど珍しいことではありません。実際、今回のチラシでも、オリンパスのデジカメやキヤノンのプリンター、ホームベーカリーが掲載されています。しかし、人気メーカーであるダイソンの家電製品が掲載されたホームセンターのチラシを見たのは、初めてかと思います。ちなみに、その前の週末に折込まれたヤマダ電機・ケーズデンキのチラシには、ダイソン製品は掲載されています。(ヤマダには扇風機、ケーズには掃除機が掲載。)
ホームセンターで取り扱う家電製品の共通点は、価格の低さ。よって、ホームセンターで取り扱う製品のメーカーは、あまりメジャーではありません。もしくは、アイリスオーヤマのような家電分野での新興メーカーです。また、有名メーカーでも、価格競争を余儀なくされているメーカーが多いことが特徴でしょうか。今回のチラシで掲載されている有名家電メーカーは、オリンパス・キヤノン・パナソニックなど。いずれも、家電量販店で特売対象になることの多いメーカーです。そういう意味では、特売されることの少ないダイソンの掃除機が、カインズのチラシに掲載されることはかなり異様なのです。
品番からネット検索すると、カインズがチラシに掲載したダイソン製掃除機は、2010年製の型落ち品。もしかしたら、ダイソン自身が不良在庫をカインズに流したのかもしれませんし、カインズがさまざまなルートを通じてダイソンの処分品を仕入れたのかもしれません。いずれにしても、カインズは何か意図を持ってダイソンの掃除機をチラシに掲載したのは、明らか。その意図とは、
家電量販店から市場を奪うため
ではないでしょうか。あくまで私の推測ですが、チラシの一番目立つ所に、デジカメ・プリンター・ホームベーカリー・掃除機・乾燥機・扇風機を掲載していることを考えると、家電製品の販売に力を入れているのは間違いないようです。低価格家電製品を扱うことによって、力を失いつつある家電量販店から顧客を奪おうとしているように思えるのです。
もしくは、ホームセンターが低価格家電製品のラインナップを充実させたからこそ、家電量販店の価格競争力が剥がれ落ち、顧客が離れたのかもしれません。家電量販店の衰退の要因として、ネット通販が取り上げられることが多いですが、ホームセンターも少なからず影響を与えているのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
ホームセンターのカインズが、人気メーカー・ダイソン製品をチラシに掲載したのは、家電量販店の市場を奪うためではないか。
もしくは、ホームセンターが低価格家電製品を充実させたからこそ、家電量販店が衰退したのかもしれない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
ホームセンターで家電を買ったことはないですが、その品揃えと価格を見ると、わざわざ家電量販店に行く必要はないな、と思いますね。
特に、それほどメーカーにこだわりのないジャンルならば、ホームセンターの商品で十分かもしれないですね。