セブン-イレブンのお菓子売場が教えてくれる、サンドラッグがコンビニに参入する理由。
by courtesy of Alastair Tse
サンドラッグがコンビニ業界に参入するようです。
ドラッグストア2位のサンドラッグは、コンビニエンスストア事業に参入する。弁当や総菜、飲料などコンビニの商品に加えて一般医薬品(大衆薬)や健康食品を揃える。シニアを主要顧客と定めて既存のコンビニとの違いを明確にする。大手ドラッグストアがコンビニと提携する例はあるが、自力で店舗展開するのは初めて。(2013年7月14日付 日経新聞朝刊)
一言で言えば、サンドラッグはシニア層向けのコンビニを始めるということ。既存のコンビニも、女性やシニア層の獲得に力を入れているとは言え、まだまだ男性・若者をメインターゲットにしており、客層という点で、差別化を行うようです。
コンビニのシニアシフトと言えば、先頭を走っているのがセブン-イレブンではないでしょうか。それは、店頭の売場を見れば、一目瞭然。例えば、お菓子売り場。セブン-イレブンのお菓子売場では、150円~200円の小袋タイプの米菓が販売されています。パッケージは、ギフト商品に入っていても不思議ではないほどの、上品な和風。コンビニの105円菓子とは、見た目からして完全に異なります。この小袋米菓がどれほど売れているのか知りませんが、私が実際に見た感じ、店頭に並ぶ商品在庫がいくらか減っており、それなりに売れている模様。まさか、学生がこのような米菓を買うとは考えられず、セブン-イレブンがシニア層の獲得に成功していることが、よくわかります。
一方、他のコンビニチェーンを見ると、このような小袋米菓を販売しているチェーンは、ほとんどありません。「ほとんど」と表現したのは、すべてのチェーンを調べたわけではないからであり、ローソン・ファミリーマートだけを取り上げれば、扱いはなし。小袋米菓は、セブン-イレブンの大きな差別化要素なのです。
小袋米菓があるから、シニア層の獲得に成功しているとは言えませんが、セブンがシニア層の獲得に力を入れているのは確かで、店頭を見る限り、それなりに成功している模様。(シニア層のお客さんをよく見ます。)シニア層を獲得することで、新たな顧客層の開拓に成功し、その結果、既存店売上高が三大チェーンの中で突出しているのではないでしょうか。
セブン-イレブンの成功事例を元に、サンドラッグはシニア向けコンビニを始めるように思えてきます。日経の記事を見る限り、ヘルシーな弁当や医薬品を充実させるなど、セブンよりもシニアシフトを鮮明にする見込み。もし、このシニア向けコンビニが成功すれば、いろんな業界で「シニア向け◯◯」が増えるかもしれません。
☆今日のまとめ☆
サンドラッグがシニア向け店舗でコンビニ業界に参入するのは、セブン-イレブンの成功事例があるからではないか。
セブン-イレブンのお菓子売り場では、明らかにシニア向けの小袋米菓が販売され、それなりに売れている様子。
さらに、小袋米菓は他のチェーンにはないことを考えると、この差別化がシニア獲得に寄与しているのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
セブン-イレブンの店舗を見ていつも思うのは、セブンPBのデザインの良さは、売上に大きく貢献しているのではないか、ということです。
デザインがいいから、安っぽく見えず、でも実際安いので、お得感があるのです。
佐藤可士和さんを起用したことが、成功の大きな要因に思えます。