セブン&アイの事業展開から学べること

神戸・三宮にできたセブン-イレブン

 

セブン&アイが、積極的に他社との提携に動いています。

 

セブン&アイ・ホールディングスは雑貨専門店「フランフラン」を運営するバルスに出資する。2014年1月に第三者割当増資の引き受けなどで50%弱の株式を取得する。セブン&アイの買収・出資が明らかになったのは12月に入り、通販のニッセンホールディングス、高級衣料品店のバーニーズジャパン(東京・渋谷)など4件目。主力のコンビニエンスストアに続く多様な販路を強化し、顧客を取り込む。(2013年12月25日付 日経新聞朝刊)

 

セブン&アイと言えば、イオンに並ぶ日本の二大流通グループです。そのセブン&アイが、他社との提携を通じて、事業領域を広げています。そのやり方は、イオンと対照的です。

 

【セブン・イオンの事業拡大手法】

[セブン]提携した他社のブランド名はそのまま(「セブン」を付けない)

[イオン]イオンブランドで展開(「イオン」を付ける)

 

セブン&アイで言えば、セブン銀行やセブンアンドワイなど例外はありますが、百貨店事業・外食事業、そして最近提携した雑貨・高級衣料品・通販などに、「セブン」という文字はありません。すべて、提携したブランドをそのまま活用し、セブン&アイは黒子に徹しています。

 

一方のイオンは、「イオンバイク」「イオンリカー」「マックスバリュ」など、ひと目でイオングループとわかる店名を付けています。資本提携した一部のスーパーでは、提携後も商号をそのまま活用していますが、セールを同時開催するなど、消費者にイオングループであることを明示しています。

 

楽天グループなどを見ればわかりますが、イオンの方がオーソドックスなやり方であり、セブン&アイの方が少し特殊です。「セブン」という名前を冠しない理由は、メリットがあるからにほかなりません。そのメリットとは、

 

従来のブランドイメージを保持しつつ、セブンという身近なコンビニイメージを付けないこと

 

ではないでしょうか。例えば、そごうがセブン百貨店になれば、なんだかコンビニが拡大したようなイメージになり、百貨店の持つ高級感よりも便利さが強くなります。これを回避するために、そごうで百貨店を展開しているのだと思います。

 

何が言いたいのかというと、消費者の持つイメージはそれほど強いということです。なかなかそのイメージを変えることは容易ではないのです。イメージを変えるぐらいならば、別ブランドで展開する方が容易でしょう。

 

☆今日のまとめ☆

セブン&アイは、イオンとは違い、提携先ブランドを「セブン」ブランドに変えずに、そのまま展開している。

そうするのは、「セブン」を冠すれば、コンビニのイメージが強くなるからではないか。

それだけ、消費者の持つイメージは変え難い。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

セブン&アイは、ロゴを付けることで、やんわりとグループであることを伝えていますね。

 

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