懐かしいジョナサンby courtesy of Dick Johnson

 

「ファミレスはもう終わった業態」

5年前まではそう言われていました。それが今や復活し、飲食業界の中で一番売上を伸ばしている業態にまでなっているのです。普段ほとんど利用しないだけに、この復活劇を未だ信じられません。ただ、とある本を読んで、その復活理由がうっすらと理解できそうになりました。

 

その本は、「商店街再生の罠」で地域再生研究者の久繁哲之介の著書です。この中で、戦略の3つのパターンが示されています。

 

【戦略の3つのパターン】

[1]効率

[2]高級

[3]交流

 

久繁さんは、このパターンを略して「サンコウ」と呼んでいるそうです。覚えやすいので、私もサンコウと覚えたいと思います。具体例は、以下の通り。

 

【サンコウ戦略の具体例】

[1]効率的に収益を上げて差別化。例えば、ファストフードチェーンや量販店。

[2]高品質で差別化。例えば、高級フレンチ。

[3]顧客とのコミュニケーション(交流)で差別化。例えば、酒場放浪記に出てくるような居酒屋。

 

ファミレスの取っている戦略は、3つ目の交流ではないかと思うのです。ファミレスの多くは大企業だから、効率を取ってもいいものの、これで失敗したのではないでしょうか。例えば、効率化のために、ドリンクバーを設置したものの、割安感ではファストフードには及ばず、ファストフードに顧客を奪われ続けたと考えることができます。ガストは、まさにこの例にぴったりです。

 

ファミレス復活の記事を読むと、単価の高い高級ステーキが売れている例がよく言及されていますが、決して高級戦略を採用したわけではありません。高級という点では、高級フレンチには敵いませんから。これは、ひらまつのようなディナーで1万円以上もする高級フレンチには勝てないという意味ではなく、ここ10年ぐらいで増えてきた、コース料理を提供する高級フレンチレストランに敵わないという意味です。統計を見たわけではないですが、阪神間に住んでいると、本当に高級フレンチのお店が増えたと思います。ファミレスは、そういうコース料理を提供するお店に勝ったから復活したわけではないのです。

 

では、なんで復活したのか。そう、残った交流です。店員と顧客が交流している風景を目の当たりにしたわけではないですが、料理・サービス・雰囲気トータルで、交流したような心地良い感じになれるのでしょう。あくまで推測ですが、高齢者の利用が増えているということは、身近にコミュニケーションが取れる楽しいお店として、ファミレスが利用されていると思うのです。もしかしたら、店員が積極的に、常連さんに話しかけているかもしれません。少なくとも、高級フレンチは常連になれるほど頻繁に利用できるものではないし、若いバイト中心のファストフードには、そういう心地よいコミュニケーションは期待できません。このコミュニケーション(交流)ニーズに、ファミレスが答えたのです。

 

もちろん、交流できる点でファミレスが選ばれるには、美味しい料理やてきぱきとしたサービスも必要。店員がよく話しかけてくれるけど、料理は遅いし美味しくないとなれば、もう利用したいと思わないでしょう。こういう基本的な部分を押さえた上で、コミュニケーションに力を入れた結果が、ファミレス復活をもたらしたというわけです。

 

ならば、この交流戦略は、効率や高級では差別化しにくい(できない)企業が、採用しない手はありません。

 

☆今日のまとめ☆

ファミレス復活の理由は、交流戦略を採用したから。

効率ではファストフードには勝てないし、高級では高級フレンチに敵わない。

そこで、心地良い交流プレイスとしてファミレスを提供したから、交流ニーズの高い高齢者に受け入れられたのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

交流には、手間が掛かり、それはコストに跳ね返ってきます。

だからこそ、やる価値があるのですね。