デニーズが復活したのは、マクドナルドと一緒のパターン?
Photo:Denny’s 上野谷中店 By nodoca
デニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムズに関する記事が、日経MJに掲載されていました。一面の特集記事で、この記事を読めば、デニーズ復活の理由がよくわかります。
かつて赤字を垂れ流しセブン&アイグループの「お荷物」と言われたファミリーレストラン「デニーズ」。運営会社のセブン&アイ・フードシステムズは今期、 15億円の営業利益を見込み、グループに貢献する企業へと生まれ変わった。改革を指揮するのは3年前に社長に就いた大久保恒夫氏(58)。若くしてイトー ヨーカ堂の業務改革委員会(業革)に参加し、成城石井の社長なども務めた経歴を持つ。改革の現場に密着した。(2014年5月14日付 日経MJ)
赤字に苦しんでいたデニーズの業績が好転したのは、至極まっとうなことを行ったからに他なりません。それは、接客サービス・料理品質を向上させ、掃除を徹底したからです。レストラン業界で言う、QSCの向上ですね。当然やるべきことを、真面目にやっただけなのです。
ただ、これが難しい。特に、業績が悪い企業・店舗の場合、職場の士気が落ち込んでいるだけあって、QSCよりも値下げなどの即効薬に頼りがちになりがち。QSCを向上させても、すぐに売上が上がるわけでもなく、しかも業界の常識なことを行っても、競合他社との差別化にもなりません。だから、QSCの向上を唱えても、ただのお題目で終わりかねないのです。
デニーズがやったのは、他の改善策をやめて、QSCの改善だけに絞ったこと。この絞るというのが、なかなかできないのでしょう。競合店舗が値下げを行えば、一時的に客足は衰えます。これに耐え切れずに、値下げしてしまう。一方で、QSCは疎かになってしまい、常連が生まれにくくなり、業績が好転しない。これが、業績悪化に苦しむ店舗の典型でしょう。デニーズはこの悪循環を断ち切るべく、QSCの改善のみに賭けたのです。
このやり方は、2000年代当初に復活したマクドナルドと同じ。この両者の事例を見る限り、飲食店で一番重要なのはQSCであり、QSCさえ改善できれば、業績はある程度改善できることがわかります。まぁ、言うは易しのことなので、皆さん苦労されるのですがね。
☆今日のまとめ☆
デニーズが復活したのは、QSCの改善のみに取り掛かり、他の改善策をやめたから。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
現場は、毎日のオペレーションで忙しいので、あれもこれもとなると、すべてが中途半端になって、結果が出にくなるもの。
だからこそ、絞ることが重要なのです。