ラッキーピエロ・居酒屋てんてん、お客様をお客様のままにしない工夫とは?
以前取り上げた北海道のハンバーガーショップ・ラッキーピエロが、カンブリア宮殿でも取り上げられていました。社長が番組に出演していたのですが、その経営の特徴は、逆張りそのもの。大手が追求する効率化よりも、顧客ニーズを優先する。商売の鉄則を頑なに守る企業のようです。
そのラッピ(ラッキーピエロの略)ですが、顧客がリピーターになる仕掛けがあります。それは、
常連客を明確に贔屓する
という方法です。会員制なのですが、その常連度に応じてランクを明確に分けています。最高は、スーパースター団員。この団員になると、6%以上の割引を受けられるだけではなく、来店時に「スーパースター団員の○○様、ご来店です!」と呼ばれ、かなり熱度の高い歓迎を受けることになります。店舗によっては、店長からハグ(抱擁)を受ける店舗もある模様。(実際、番組で放映されていました。)これだけ明確に贔屓にされれば、嬉しくて来店し続けること間違いありません。だからこそ、競合するファストフード店よりも決して安くはない値段にも関わらず、熱烈なファンが多くなるのです。
驚くことに、スーパースター団員になると、ラッピが取引先と行う懇親会にも参加できるようです。その懇親会では、社長から感謝の言葉を取引先の前で言われるほど。つまり、企業としての行事でVIP扱いを受けることになります。ここまでされれば、ラッピに好意を持たない人はいないはず。さらに、新商品の商品開発にも参加できるのだから、スーパースター団員は常連客の域を超えて、ラッピファミリーの一員のようなもの。ここまでされれば、普通は通い続けるでしょう。
このやり方、ラッピ以外でも発見しました。
お客と仲良くなるために何をすべきか――。その知恵の宝庫といえる店が、大阪府の南部、堺市の住宅街にある「居酒屋てんてん」。店舗面積22坪(約73平方メートル)で月商は330万円。常連客が9割を占める地元密着型の人気店だ。(2014年6月27日付 日経MJ)
繁盛店である居酒屋てんてんの秘密は、ラッピ同様に顧客を贔屓することにあるようです。記事によると、10回以上来店した顧客は「応援団」と認定され、店舗が実施する飲み会に参加できる権利を取得します。(参加費必要)つまり、「応援団」の常連客は、顧客から店舗の一員になり、店舗を支える側に回ることになります。他の顧客とは違うという優越感に浸れること、間違いなしです。
常連客を明確に贔屓する
点において、ラッピと同じです。
ラッキーピエロ・居酒屋てんてんの事例を見ると、飲食店の常連獲得手法として「明確に贔屓する」ことが有効であることがよくわかります。単に美味しいだけでは、十分ではないようです。
☆今日のまとめ☆
ラッキーピエロ・居酒屋てんてんが常連客獲得に成功したのは、明確に贔屓したから。
それは、顧客から、店舗に関わる一員・ファミリーまで昇華させるという驚くべきもの。
えこ贔屓は、常連客獲得に有効なのかもしれない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
番組で村上龍さんが試食されたのが、チャイニーズチキンバーガー。
中華風味の味付けとパンの組み合わせは、本当に美味しそう。
マックでも新商品として登場するかもしれないですね。