ラッキーピエロに弱点はないか?

ラッキーピエロ店舗

 

前回はラッキーピエロの常連獲得手法を取り上げました。カンブリア宮殿でも、ラッキーピエロの経営手法は絶賛であり、地方サービス業の鏡のような扱いを受けていました。その凄さは、大手がひしめくハンバーガーチェーンでありながら、大手が参入に躊躇するほど地元客の支持を受けている点にあります。規模の経済では大手に負けるからこそ、大手には出来ない面倒くさい事に力を入れ、その結果顧客の熱烈な支持を受けたのです。

 

ただし、ラッキーピエロのオペレーションに死角が無いかと言えば、そうではありません。大手の逆張りを行っている以上、大手の立場に立てば、死角ばかりにも見えるかもしれません。私が気づいた弱点は、以下の通りです。

 

【ラッキーピエロの弱点】

[1]                人手不足・人件費高騰に比較的陥りやすい点

[2]                重点的に利用する地元食材の価格変動の影響を受けやすい点

 

いずれも、飲食店・食品関連企業が直面する問題です。1について、作りおきをしない点やメニューが多い点などラッピの強みが、人手を多く必要なオペレーションにつながり、競合よりも人手不足に陥りやすい可能性があります。ファストフード業態ながら、注文後に調理をして、客席まで店員が持っていくスタイル。(番組の映像によると)この提供方法では、カウンターで提供する他ファストフードよりも人手が掛かるオペレーションになります。さらに、ハンバーガーのみならず中華料理まで網羅するメニュー数の多さも、キッチン人材の能力の高さを要求します。これは、人件費がより高くなるということに他なりません。人手不足も時給上昇など人件費の高さにつながることから、ラッピのオペレーションは将来的に人件費高騰に直面する可能性は高いのではないでしょうか。

 

2について、地元食材を積極的に活用しているラッキーピエロ。地元意識の強い消費者には強いウリになる一方、気候に異変が生じればたちまち仕入れコストの上昇に直面してしまいます。通常の飲食店なら、他産地に切り替えてコストコントロールすればいいのですが、地元食材の利用をウリにしているなら、そうもいきません。ラッキーピエロは、コスト上昇リスクが他飲食店チェーン以上に高いのです。

 

恐らく、これらの弱点を何かしらの工夫のカバーしているはず。その工夫こそが、大きな競争力と言えそうです。よって、上辺だけ見てラッキーピエロを真似しても、いずれ弱点を直視しなければならない時が来るはずです。

 

☆今日のまとめ☆

ラッキーピエロには、サービスを重視しているだけに人手不足・人件費高騰のリスクが他飲食店よりも大きいという弱点がある。

また、地元食材を積極的に活用しているが、仕入れコスト上昇時には、たちまちコスト上昇圧力にさらされる。

ラッキーピエロの本当の競争力は、これらの弱点を克服している工夫にあるのではないか?

 

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