なぜ今さら、ザ・コーヒービーン&ティーリーフが日本に上陸するのか?

cofee bean and tea leaf

 

銀だこを運営するホットランドが、イオンモールと組んで、アメリカのカフェ「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」を始めるようです。

 

 

たこ焼き店「築地銀だこ」などを運営するホットランド(東京・中央)とショッピングセンター(SC) 運営のイオンモールは今秋、米コーヒーチェーン「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」の展開を始める。両社は6月に共同出資会社を設立し、米本社とフラン チャイズチェーン(FC)契約を結んだ。年内に東京都内で1号店を出しSC内などに出店する。(2014年8月4日付 日経新聞朝刊)

 

この記事を読んだ時、少し今さら感がありました。というのも、ザ・コーヒービーン&ティーリーフ(略してコーヒービーン)は、世界展開しているカフェチェーンであり、アジアにも既に進出しています。これまで日本に上陸していなかったことが、不思議なほど。今上陸した理由については、日経には特に明記されておらず、他のサイトを見ると、単なる世界展開の一貫のようです。なぜ今なのかについては、不明。

 

推測できるのは、

 

日本経済が上向いてきたから(アベノミスク効果)

外国人観光客が大きく増えているから

 

でしょうか。ただ、前者の理由については、アベノミクス前から、シアトル系のスタバやタリーズは人気を博していたわけであり、今上陸する理由にはなっていません。スタバやタリーズよりも客単価が高いチェーンなら考えられなくはないですが、日経記事では他のカフェチェーン並の価格を設定するようです。だから、アベノミクス効果による景気回復による日本上陸の可能性はかなり低いと思われます。

 

後者については、理由としては大きいかもしれません。海外旅行に行った際、カフェなど利用機会の多い業態の場合は、知っているチェーンで手早く済ませようと思うものです。ならば、世界展開するコーヒービーンには、外国人観光客を集客できる競争力があることになります。外国人観光客が大きく増加したのはここ1年ぐらいなので、コーヒービーンが日本上陸を決めた理由として十分ありえます。

 

逆に言えば、世界展開するスタバやタリーズを利用する外国人観光客が多いということであり、国産のカフェチェーン・個人店は外国人観光客を取りこぼしているとも言えます。英語メニューなど、外国人観光客へのコミュニケーションを充実させれば、外国人観光客の集客はこれまで以上に増えると考えることもできます。

 

もう一つ考えられるのは、ホットランド主導でコーヒービーンを誘致したということです。ただ、ここでも疑問が生じます。なぜ自社でカフェブランドを創りださずに、ロイヤリティが発生する外国ブランドを誘致したのか、という点です。カフェという業態は、作るのはそう難しいものではありません。ベーカリー併設のカフェが増えるなど、飲食店の中では、比較的参入障壁が低い業態。ホットランドならば、いとも簡単にカフェ参入してもいいものです。

 

にも関わらず、コーヒービーンを誘致したということは、カフェのコモディティ化が進んでいるからかもしれません。つまり、自社ブランドでカフェに参入しても、価格競争に巻き込まれるのがオチなので、全世界で有名なコーヒービーンを誘致したというわけです。消費者がカフェに求める基準が高まっていることでもあり、カフェでそれなりの価格設定を行いたいなら、ブランドが必要ということかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

コーヒービーンが今日本に上陸するのは、大きく増加している外国人観光客の集客が見込めるからであり、またカフェのコモディティ化が進んでいるからではないか。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆  今日のこぼれ話☆

有名ブランドなしにカフェに参入するなら、イチオシメニューが必要でしょうね。

コーヒーでの差別化では、専門店に負けますので、食事メニュー・デザートで差別化です。

美味しいのは当たり前、何か目立つものをメニューにすれば、最低限来店動機を作り出すことができます。

もちろん、真似されることを前提に、進化させなければなりませんが。

もうこれは、どんどん新規参入が進む飲食業界の定めでもありますね。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です