行列ができる洋食店と閑古鳥が鳴く釜飯店、その理由とは?

美味しそうなハンバーグby courtesy of Hajime NAKANO

※グリルロンのメニュー画像ではありません

先日、梅田茶屋町の阪急地下街で、対照的な飲食店を見つけました。時間は、夕食時の19時前。レストラン街にある両隣の店舗で、片方が洋食店、もう一方が釜飯店でした。洋食店には行列が出来ており、釜飯店は行列どころか、来店客はほとんどいない状態。

隣り合わせの店舗であり、立地条件はほぼ同じです。にも関わらず、集客数にここまで差が出るのは、ターゲット客のニーズの違いによるものではないでしょうか。ターゲット客は、洋食店で行列を作っていたシニア層です。

【シニア層が飲食店に求めるニーズ】

ハレの場であり、自宅で調理できないものを、手頃な価格で食べたい

上記ニーズに対して、洋食店と釜飯店が提供しているメニューとその価格は以下の通りです。

【梅田レストラン街の洋食店と釜飯店が提供しているメニューとその価格】

[洋食店]自宅で食べられないハンバーグ・エビフライ・ステーキなど、定食が1000円未満から

[釜飯店]熱々の釜飯など、単品が1000円未満から

どちらも自宅での調理が難しいものであり、価格も1000円未満から。にも関わらず、これほどにまで集客数に違いがあるのは、「定食か単品か」と「洋食=ハレの料理」ということが関係しているのだと思います。つまり、洋食店では、1000円も出せばお腹いっぱい食べられて、お釣りも出ますが、釜飯店では、1000円では単品しか食べられず、少し不満が残るのです。

また、釜飯は和食であり、和食は自宅で比較的簡単に作ることができます。炊き込みご飯に似ているとも言えます。一方の洋食は、ハンバーグは捏ねる必要があり、エビフライは油で揚げなければなりません。ステーキは、美味しい肉はそれなりの価格であるだけでなく、焼くのにもそれなりの火力や技術を必要とします。両者を比較すると、明らかに後者の方が、自宅で調理するのが難しいということになります。

感覚的に「シニア層なら洋食より和食を好む」と考えがちですが、ハレの場である外食だからこそ、調理が難しく普段食べない洋食を食べたいのだと思います。しかも、その価格が割安ならば、グリルロンのように行列ができるのではないでしょうか。

☆今日のまとめ☆

シニア層が洋食店に行列を作るのは、調理が難しく自宅では食べられない料理を割安に提供しているからではないか。

シニア=和食を考えがちだが、ハレの外食だからこそ、普段食べない洋食の方が好まれるのだろう。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

洋食屋が少なくなったから、代わりにファミレスを利用するようになったという仮説は、あながち間違っていないような気がします。

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