ドン・キホーテとゼンショーの四半期決算からわかった、依然稼げる市場とは?

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ディスカウント大手のドン・キホーテ、まだまだ成長途上のようです。

 

ドンキホーテホールディングス株が上値を切り上げている。11日は続伸、一時前日比5%高の7440円をつけ、上場来高値を更新(株式分割考慮後)した。
ディスカウントストアの大手で、10日発表の10月の月次速報では既存店売上高が前年同月比8・3%増を記録。消費増税直前の今年3月を除き、2000年以降で最高水準の伸び率となり、買いが集まった。(2014年11月12日付 日経新聞朝刊)

 

ドン・キホーテと言えば、ジャングルのような圧縮陳列で有名ですが、業態で言えばディスカウンターとGMSの間の子でしょうか。安さも魅力で、先日久しぶりに入ったところ、有名メーカーの洗剤がありえないような価格で販売されていました。今度からここで買おうと決めたぐらいのインパクトがありました。

 

実質所得の低下で、節約志向が高まり、低価格のドン・キホーテの収益が伸びたと言えば、シンプルな理屈ですが、それでも業態はGMSなのです。GMSとは、セブンやイオンが苦戦する業態。赤字が収まらないダイエーも、このGMSに含まれます。低価格・圧縮陳列は、GMSの収益性を高める上でキーワードになるかもしれません。

 

もう一つ、ドン・キホーテの特徴を忘れていました。それは、

 

深夜営業

 

です。この深夜営業も好業績の大きな要因であり、特に外国人観光客にありがたく思われているようです。昼間は観光、夜買い物というニーズにピッタリですから。ただ、冷静に考えてみれば、日本は高齢化が進んでいるわけで、どちらかというと深夜よりも早朝に営業する店舗が増えている印象です。しかし実際は、衰退してもいいはずの深夜営業で、ドン・キホーテは稼いでいるのです。

 

深夜営業で収益に大きなインパクトを受けたのは、すき家を運営するゼンショー。こちらは、人手不足で深夜営業を止めざるを得ませんでした。その結果、既存店売上は好調にも関わらず、減収減益・赤字転落です。

 

ゼンショーホールディングス(HD)は10日、2015年3月期通期の連結最終損益が75億円の赤 字(前期は11億円の黒字)になる見通しだと発表した。従来予想は13億円の赤字だった。人手不足で牛丼店「すき家」の多くの店舗で深夜営業を休止したた め売上高が伸び悩み、赤字幅が拡大する。年間配当は1997年の上場以来初の無配(前期は16円)とする。(2014年11月11日付 日経新聞朝刊)

 

もちろん、ゼンショーが赤字に転落したのは、深夜営業をできなかったからではありません。人件費の高騰もあったでしょう。都心では時給1000円での募集もあるぐらいですから。ただし、時給高騰が影響を及ぼすのは、売上ではなく利益。よって、減収の理由にはなりません。減収したのは、店舗閉鎖を含めた営業時間の減少なのです。そして、その減少した時間帯の大部分が、深夜。儲かる深夜に店を閉めたからこそ、業績が大きく悪化したのです。

 

シニア層を考えると、深夜よりも早朝と考えがちですが、まだまだ深夜市場は儲かるようです。

 

☆今日のまとめ☆

ドン・キホーテは、深夜営業における外国人観光客の売上増が好業績に寄与しているという。

一方、深夜営業を止めたゼンショーは、赤字転落。

シニア層を考えると、深夜よりも早朝と思いがちであるが、深夜はまだまだ儲かる市場。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

失業率の低下・求人増となれば、深夜に消費したい人はまだまだ増えそう。

 

 

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